出版社内容情報
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
著・文・その他
内容説明
世間を騒がせた親子誘拐事件の主犯格・淡野の手がかりを掴むため、神奈川県警特別捜査官の巻島史彦はネット配信のニュース番組に出演し、淡野に呼びかける。視聴者が見守る中、淡野はついにアバターの姿で番組に現れ、巻島と対話を始めた。生配信で巻島との攻防を繰り広げながら、淡野はその裏で「最後のシノギ」と称し、警察組織を根底から揺るがす恐るべき犯罪を仕掛けて―。類を見ない犯罪計画と執念の捜査がぶつかりあう、累計175万部超の大ヒットシリーズ第3弾!
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』でデビュー。04年『犯人に告ぐ』を上梓するとたちまちベストセラーとなり、同年の「週刊文春ミステリーベストテン」では第1位に選出される。翌年には第7回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
132
★★★★★★★★★☆巻島と淡野の直接対決が熾烈さを増す下巻。しかし百戦錬磨の捜査官と天才詐欺師の一騎打ちと思われたその頭脳戦は、思わぬ横槍によって想定し得なかった状況に陥っていく。前作では冷酷な犯罪者でしかなかった淡野の過去と内面を丁寧に描くことにより、やはり前作同様、犯人側に肩入れしてしまう状況を上手く作り上げている。身代金受渡し当日に重なった2つの偶然はややご都合っぽいが、それを差し引いても秋本の苦悩、由香里の一途な想いなど読みどころは多かった。ラスト1文の着地の見事さは、まさに芸術作品を見た思いだ。2022/11/22
ケイ
111
下巻も後半になると、このシリーズは続くんだとわかってくる。シリーズとして続くには、ある人物から他の人物へフォーカスがうつるのだろうから、どういう形かで別れが来るのが予想され、読むのがつらくなった。ぞろそろ「今夜は震えて眠れ」は封印してもいいのではないかな。ポリスマンの正体についてはなかなか分からず、作者に遊ばれている感じがして、焦れったいがそこが楽しさでもある。2023/09/15
H!deking
71
という訳で下巻はさすがのリーダビリティでのめり込みました。切ないラストで映像向きだと思いました。こういう、追う側追われる側お互いの視点からっていうの度々見掛けますが、やっぱり読んでて面白いですね。続編はいよいよワイズマンと直接対決かな? 2のストーリーだいぶ忘れているので読み返してみるかー2024/06/26
竹ピコ
32
前作から、この作品はどうしても犯人側に感情移入してしまう。2で酷薄に見えた淡野も、捕まった兄弟が口を噤むのは、やはりカリスマ性を持った人間だからだろう。由香里や渉、絵里子、そして母親に対する淡野は本当に魅力的に映った。今後は「ワイズマン」「ポリスマン」と巻島の対決の話になるのだろうが、次作は純粋に巻島を応援できる気がする。面白かった。2023/02/20
Junichi Yamaguchi
32
『今夜は震えて眠れ』… リップマンに感情移入してしまった今作。 彼が、安住の地に辿り着けたのは救い。 まだまだ続きそうなシリーズ。 ボリスとワイズ… どうなるか楽しみ。。2022/12/03