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内容説明
ジーン・セバーグ、アンナ・カリーナ、アンヌ=マリ・ミエヴィルたち女神との物語から描く著者始めての書き下ろしゴダール論。女に逃げられるという天才的才能を持ち映画の革命的異端児として生きたゴダールの足跡を辿る。
目次
女に逃げられるという才能
第一章 ジーン・セバーグ──零落の聖女
第二章 アンナ・カリーナ──今でも現役アイドル
第三章 アンヌ・ヴィアゼムスキー──女優から作家へ
番 外 ジェーン・フォンダ──ただひたすら罵倒、罵倒
第四章 アンヌ=マリ・ミエヴィル──聡明な批判者
結びに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
44
4人の女性越しの視点でゴダール監督を語る本。ゴダールの作品は何本か観ているが、「日常の全てが演技でありノンセンスな虚構であることの幸福さを謳いあげる」と紹介された『女は女である』が観たくなり鑑賞しました。2013/01/26
Y2K☮
33
ジョン・レノンやデヴィッド・ボウイのアルバム、或いは村上春樹の小説や中邑真輔のプロレスと同様、ゴダールの映画を見ると創作意欲が高ぶる。既成概念の破壊や成功体験を捨てて変化する事を厭わぬ実験精神のおかげ。アンナ・カリーナの明るさよりもアンヌ・ヴィアゼムスキーの妖しさに惹かれる。彼女の書いた小説を読みたい。生涯のパートナーとなったミエヴィルとオノヨーコの対比も興味深い。正反対の様で案外似ている。ジョンとゴダールにそういう対談をして欲しかった。才を枯渇させないのも才能。ケミストリーをもたらす伴侶の役割の大きさ。2017/11/08
踊る猫
32
ジャン=リュック・ゴダールと、彼を通り過ぎていった五人の女性の話。ゴダールを知らない人でも安心して読める反面、この著者ならもっと本格的なゴダール論を書けるはずなのでそのあたり痛し痒しといったところ。新書の限界なのか……ジーン・セバーグやアンナ・カリーナのことはある程度知っていたつもりだったのだけれど、その他の女性たちについては全然知らなかったので良い勉強になった。なにより、四方田犬彦がシネフィルに陥りがちな思い入れたっぷりの自分に酔った文章に陥っていないところが良い。だから今度はもっとゴダール論をと期待!2019/05/11
シッダ@涅槃
20
本書刊行から13年経ってるが、時の流れは残酷なもので、アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、そしてゴダール本人までもが鬼籍に入ってる。この本の中ではバリバリ現役なのだ。◆最近初期ゴダールをある程度まとめて観てるのもあって、やっぱアンナのその後も含めてキュートでポップで生命感溢れたひとだと感じる。世紀転換期に日本で“オリーブ少女”たちに(おそらくジェーン・バーキンなどと共に )絶大に指示され、リサイタルのアンコールの熱烈さに感激したり、似顔絵を描いた岡崎京子に会いたがったりと親近感が湧く(続)2024/10/14
紺
13
ジーン・セバーグの章だけ読み返そうと思ったのに、結局最後まで読了。軽めでゴシップ満載だけれど、読み応えあり。あとがきで、岡崎京子さんの似顔絵をアンナが見て狂喜したくだり、飲みながら読んでいたせいか、ぐっときてしまった。四方田さんは岡崎さんを語るときは「ヨモタくん」になってしまうのがとても素敵だ。わたしはやはり、60年代のゴダールの映画が好きだ。もう、それでいい。そして、同じ映画を好きなひとたちのことも好きだなと勝手に思っている。2025/04/16