出版社内容情報
専業主婦の榎本佐和子は、ある時フードコーディネーターの友人からバイトを頼まれる。手伝いを続けるうちに編集者から声をかけられ、料理雑誌に出演。これをきっかけに、料理研究家としてデビューする。家族、友人、隣人はいきなり有名人となった彼女の存在に心をざわつかせる。女の微妙な気持ちが交差する連作短編集。(『ざわつく女心は上の空』改題、文庫化)
内容説明
専業主婦の榎本佐和子は、フードコーディネーターの友人からバイトを頼まれる。手伝いを続けるうちに編集者から声をかけられ、主婦向け生活実用誌のレシピコーナーに出演。これをきっかけに、料理研究家としてデビューする。いきなり有名人となり、暮らしぶりや態度が変化していく彼女の存在に家族や友人は心をざわつかせる。女性の微妙な気持ちが交差する連作短編集。
著者等紹介
こかじさら[コカジサラ]
千葉県生まれ。出版社勤務を経て2016年『アレー!行け、ニッポンの女たち』(『負けるな、届け!』に改題し文庫化)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayu
22
『一体全体、彼女のどこがいいっていうの』という出だしに一気に心を持っていかれ、彼女の無邪気さは天然なのか、はたまた強かなのか…読んでいる間考えずにはいられない。おっとりしていて要領が良いとも言えない専業主婦の佐和子があれよあれよとベストセラーを誇る料理研究家に。佐和子に対して僻み、妬み、呆れ、羨み、怒りを抱える同業者、崇拝するファン、母親、子供、ご近所さん、編集者の気持ちを描いた連作短篇集。 人々の機微が上手に描かれていて、ここに出てくる人々は実際にいてもおかしくないなと感じる人々ばかり!!2021/11/14
MILKy
16
昨年末に出たばかり、表紙であらすじで、気になり、早々BOで出会い手に取る!なんなん!この単純かもしれないけど、実際にありそうな面白さ、と言うのかイヤミスなのか。特に才能も無いのに、運タイミングで、同級生の縁に乗っかってなんなら踏み台にして(さわこにはその気はなく)、あっという間に料理研究家になりあがってしまった榎本さわこ。ふつーの、子ふたり専業主婦だったさわこをとりまく連作短編集!女性特有のこういう感じ!分かるし、全ては必要ないものまで欲しがってしまい麻痺してしまう転落劇。なんならオムニバスでドラマ見たい2022/02/09
こばゆみ
11
運だけで売れっ子料理研究家になってしまった主婦と、それを妬み嫉む周りの人たちの連作短編集。んー読みやすかったけれど、深くはないかなぁ… 売れっ子になるまでと、その後の転落っぷりが急すぎて、ちょいと付いて行けなかった(^_^;)2021/11/14
のこのこ
8
これは超リアル。どんな女性でも痛いところつかれたなって思いそう。こういう醜い感情を抱くことは誰でもあると安心感を与えてくれる。SNSで他人の日常を簡単に覗ける現代は、自分にとってのライバルを簡単に見つけられる。直接の知り合いをライバル視している美香子、智恵子はまだしも、雪乃はかなり重症だと思った。自分の抱えた虚しさに向き合わず、無意味な数字に縋る日々…。完璧な日常は決して幸せではない。何事もちょっと足りないくらいが丁度いいと思う。インスタで知人と繋がるのをやめましたが、やめて本当に良かったと改めて思えた。2023/11/24
M Y
3
スッキリのしないもやもやが残る本でした。2022/05/23