出版社内容情報
「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の全5編収録。2019年、本屋大賞や多くの年間ミステリランキングに入った話題作が早くも文庫になりました!
内容説明
昔ばなしが、まさかのミステリに!「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さまご存じの“日本昔ばなし”を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解いたまったく新しいミステリ。「え!なんでこうなるの?」「なんと、この人が…」と驚き連続の5編を収録。数々の年間ミステリにランクイン&本屋大賞ノミネートを果たした話題作、待望の文庫化。
著者等紹介
青柳碧人[アオヤギアイト]
1980年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
309
短篇5篇の章タイトルも面白いね。正しく『むかしむかしあるところに、死体がありました。』になっている。良く知る昔話が題材になった特殊設定が舞台になっているのも「それはズルいよ」と「やっぱその設定を活かさないと面白くないよね」の境界をのらりくらりと行き来している様で。それでね、事件の真相だけに留まらず、もう一つ俯瞰的な位置からブラック寄りのオチや設定の妙があって、ただのミステリーに留まっていない所が流石なのかなぁと思うのでした。2023/06/09
ミュポトワ@猫mode
258
ずっと気になっていて、読みたいと思っていた本がようやく文庫化されたので、読んでみました。この作者の本を読むのはこれが2冊目で、普段ミステリーをほとんど読まないので、ミステリー読者としては幼稚な読み方になってしまったと思いますが、意外にハッピーエンドが少ないね。ミステリーだからなのかもしれないですけど、昔話がほとんど、めでたしめでたしで終わる印象からはかけ離れていて、なかなかブラックな感じでした。昔読んだ星新一先生の未来イソップみたいなのを想像してたので、度肝を抜かれましたが、まぁこういうのもアリですね。2021/11/11
ALATA
214
日本昔話のミステリー版。「つるの倒叙がえし」の二十螺旋構造、「密室竜宮城」は亀や蛸が住まう館トリック、「絶海の鬼ヶ島」吉備国民間伝承説など題名からワクワクしながら読み始めたんですが意外と進まない。なじみ深い主役が追いやられ、わき役が独断専行するストーリーが原因か?舞台設定、がいいだけにちょっと残念でした★2※いろんなアイテム、仕掛けに工夫が凝らされて中学生が手にとることでミステリーに興味を持ってもらえれば…というところ。 2023/05/22
あきら
170
本格的な推理小説です。 本の雰囲気から既に騙されました。2021/09/20
麦ちゃんの下僕
161
オーディオブックでの再読。「一寸法師」「花咲か爺さん」「鶴の恩返し」「浦島太郎」「桃太郎」というおなじみの昔話のストーリーを改変して“ミステリー”に仕立て上げるというユニークな発想に賛否両論ありますが…改めて読んでみると、伏線や作者オリジナルの設定の折り込み方も巧みで、いわゆる“特殊設定ミステリー”の1つの到達点として高く評価されるべき作品だと僕は思います。各エピソードがそれぞれ“アリバイ”“ダイイングメッセージ”“叙述トリック”“密室”“クローズドサークル”という異なった趣向で楽しめるのも良いですよね。2023/11/28
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