出版社内容情報
かつてパンク歌手だった吉永シロウは、下請けコピーライターとして働き息子の養育費の支払いに四苦八苦する40代。若き時分に追い求めた自由に復讐されるような日々の中、昔のバンド仲間で今や売れっ子になった男から久々に電話がかかってきて――。どれだけ歳を重ねても大人になれない全ての人へ捧げる、永遠の青春小説。
内容説明
息子の養育費の支払いに四苦八苦しながらも、コピーライターとして多忙な日々を送る吉永シロウ。そこそこ幸せのはずが、どうにも心は満たされない。そんなある日、昔のバンド仲間で今や売れっ子になった男から久々に電話がかかってきて―。遠く離れた友達、別れた妻、馴染みのバーの店主…様々な人生が交差する中で、シロウはある決意をする。誰もが抱える孤独にそっと手を差し伸べる「繋がり」の物語。短篇「大人しか判ってくれない」も特別収録。
著者等紹介
桜井鈴茂[サクライスズモ]
1968年生まれ。明治学院大学社会学部社会学科卒業。卒業後は、音楽活動ほか職歴多数。同志社大学大学院商学研究科中退。2002年『アレルヤ』で第13回朝日新人文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shouyi.
5
生きたいように生きることの難しさを青春を終えた中年に差しかかった男の目線から語る物語。登場する人物たちがとても魅力的。主人公は単価の低いフリーのライターなので将来が見えない。とてもおもしろい小説であった。2021/12/26
JUN
4
なんと、続編だった!笑 「アレルヤ」読まなきゃ!2021/05/24
ぼび
1
0/52023/09/13
kintel
1
こういういつまでもモラトリアムしてしまう人が東京にはけっこう居るよなぁと思う。 そして自分にもそうなる要素が多分にあるから共感しながらも辟易しながら読んだ。 文体も内省的でだらだらしてる点がリアリズムあって好きだけどくどいから何度もやめたりしながら。 デジタル化が急速に発達した現代だけど人間同士のアナログ性の回帰、というか再確認。 人生で初めてある種の到達点に達したシロウの今後が気になる。だって本当の正念場はこの物語のあとにあるはずだから。2023/08/03
ponnnakano
1
読み始めてすぐに、アレルヤ の続編じゃん!と驚き喜ぶ。これだよこれ、こういうのが読みたかったんだよ、でもアレルヤ のディテールはかなり忘れちゃってるな、とかドラムが飲むのがバスペールエールじゃないのかよ、とかストーンローゼズが登場しないのは時代の流れか、とかそりゃそうだ登場人物たちは皆四捨五入すれば50歳ってんだからなどと思いながら読む。久美ちゃんとの再会シーンは、笑いながらも感動するという離れ技で最高です。あとファンでありながら「アレルヤ」を「ハレルヤ」と間違えて覚えていたことをここでお詫びします。2021/12/09