出版社内容情報
探偵の私は、名古屋から上京していた実業家から、娘を捜してほしいとの依頼を受ける。その娘、由はツイッターをやっていて、本来のアカウントとは別に、性的な表現が氾濫する裏のアカウント、「裏垢」もやっていた。私は協力者を得て、裏垢から由の足取りを追う。――現代に浮遊する少女や彼女らを取り巻く大人たちの姿を静かに激しく描いたミステリー。
内容説明
女子高校生の由が失踪した。由の父親から捜索を依頼された探偵の“私”は由のツイッターの裏アカウントをたよりに行方を追うが、そこは現実の世界とはまったくの別世界だった。やがて起きる殺人事件。複雑に絡み合う事件の糸を丁寧にほどいていく“私”はあることに気づく。―今あるむきだしの社会を描いてきた著者が贈るハードボイルド。
著者等紹介
新野剛志[シンノタケシ]
1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tomomi Yazaki
13
主人公の真面目で言い訳じみた説明に、何故か親近感がわいてしまう。そうこれは、故・内藤陳先生が天国で泣いて喜ぶ正真正銘のハードボイルドだでよ。ハードボイルド。それはちょっと間違えると滑稽に変わってしまう危険を孕んだ小説。然るに、ハードボイルドとは、読み手が如何にその物語にのめり込むことが出来るかで、その面白さが変わってくる。読む側も心して読まないと小説が台無しになってしまう。優しい街。この街は一体、誰にとっての優しい街だったのだろうか。最後まで、分からなかった。2021/01/21
terukravitz
4
★☆☆☆☆2020/11/12
chobitK
1
☆☆☆2024/01/16
ねぎまぐろ
1
★★★2021/08/11
瀬音村
1
“ハードボイルド探偵”と聞くとどうしても先に木内一裕先生の矢能が浮かんで、他作品と比べるのもどうかとは思うが敢えて素直な感想を述べるならば、本作の探偵市ノ瀬、弱い。ちょこちょこある暴力喧嘩シーン、ほとんど勝てない。勝てたのは不意打ちで殴りかかったとき(2回)だけ。喧嘩→負けて拘束→殺される直前で敵サイドのトラブル→助かる。このパターンが3回はあった。あと細かいことですが、本業の探偵が敵の車に触れる距離まで来ててナンバーわからないってどうなん?今時探偵の真似事する高校生でもナンバーぐらいみる。正直がっかり2021/01/23
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- 和書
- あたしが海に還るまで