出版社内容情報
死神・西野の次の標的は彼が現世で結婚していた女。生前の記憶はない西野だが、彼女と接するうちに、芽生えるはずのない感情が。
内容説明
現代の死神業は、ブラック職種!人遣いの荒い上司に酷使され、次々とターゲットをあの世に送っていた西野。その甲斐あって、ノルマの10人斬り達成まであと一人というところまでこぎ着けた。しかし、最後のターゲットは西野が現世で結婚していた最愛の女性だった。生前の記憶は奪われていた西野だったが、ターゲットと接するうちに、死神に芽生えるはずのない感情が次々と現れはじめ…。記憶をなくしても人は同じ人を愛することができるのか!?
著者等紹介
秦本幸弥[ハタモトユキヤ]
ITコンサルティング会社経営の兼業作家。著書に『本日、職業選択の自由が奪われました』(双葉社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Comit
58
Kindle Unlimited~不慮の事故で生まれ変わり“死神“となった西野、10人目のターゲットは…(ノД`)~命を狩る条件は、“大切なもの”と一緒に対象者を大鎌で斬ること。“大切なもの”を探すため、咲良に接近する西野は、身体が憶えている記憶に戸惑い、自分の中に芽生える感情が“愛情“であることに気付く~死神システムなどの世界観は結構穴だらけですが、それを抜きにしても、読んでよかった。ラストは泣きっぱなし、平井堅の「僕は君に恋をする」と合いそうな1冊。2021/08/03
ami*15
46
西野という死神に与えられた仕事は生前の妻だった咲良の命を奪うこと。生前の記憶がない全くの別人として咲良に接触するが、ターゲットであるはずの彼女の優しさを知るたびにだんだんと興味を持ち始めてしまう。西野を不思議と亡き旦那の姿と重ね合わせながら接する咲良の温かな性格に彼が惹かれていったのも凄くわかるし、こんなに優しい人間を仕事であれど「殺せ」と言われたら私も絶対嫌になる。仕事を選ぶか愛を選ぶか、彼に迫られた究極の選択。西野と亡き旦那、それぞれが残した気持ちは現世に生きる咲良と翔太に強く届いたと思います。2019/05/25
hirune
38
【Kindle】死に別れた夫と妻が死神(生前の記憶を失くしている)とそのターゲットとして再会する。全編通してずーっと切ない雰囲気でしたが、最後は温かい結末だったから良かった。9人の処理を成功したから90分なのかな。死神が勤める会社もよくわからない上司や事務員も謎のまま終わりましたね。2021/01/30
よっしー
13
切なくも心暖まるストーリーでした。出先での時間潰しにと思って持っていった本なのですが、ラストでは必死に涙を堪える羽目に…。物語としてはよくある展開なのでしょうが、咲良と西野の心情を思うと本当に切なくなりますね。 そして、最後まで読んでタイトルの意味に納得です。最初はどんな関連がと思って手に取ったので…。2020/06/26
はなりん
13
人だった頃の記憶や感情を封印された死神が仕事として向かった先が、自分が遺して来てしまった妻の元で・・・そこで、妻の咲良と息子の翔太と触れ合いながら、これまで感じた事のない感情に戸惑いながらグルグルする死神がどんな結論を選択するのかドキドキしながら読み進めた。途中死神の所属するシステムや目的がよくわからなかったけど、最後はウルウルした~。終わりよければすべて良し!2019/08/11