双葉文庫
人喰い

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575521122
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

熾烈な労働争議が続く「本多銃砲火薬店」の工場に勤務する、花城佐紀子の姉・由記子が、遺書を遺して失踪した。社長の一人息子の本多昭一と心中するという。失踪から二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、由記子の同僚でもある恋人の豊島とともに佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。第14回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長編ミステリー。

笹沢左保[ササザワ サホ]
著・文・その他

内容説明

熾烈な労働争議が続く「本多銃砲火薬店」の工場に勤務する、花城佐紀子の姉・由記子が、遺書を残して失踪した。社長の一人息子の本多昭一と心中するという。失踪から二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、由記子の同僚でもある恋人の豊島とともに佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。第14回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長編ミステリー。

著者等紹介

笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、東京都生まれ、神奈川県横浜市出身。『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説・サスペンス小説・恋愛論などのエッセイのほか、歴史書等も著し、作家活動42年間で、380冊もの著書を残した。2002年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

169
タイトルに騙された感じ。おどろオドロしいのかと・・帯は煽り過ぎだが、私は終盤まで騙されていた。笹沢さん、もう懐かしい名前だ。で、この作品は、コイツだったかぁの犯人だったが、全体に古さと云うか時代を感じてしまうのがちょっと淋しい。(復刊だから仕方ないのだが)女性の煙草、しかもショートホープ(そこかい!)心中した姉の真相を探る妹が真犯人に振り回される。そして最後に心中の相手の婚約者登場で一気に解決へ向かうのだが、あまりにも警察の存在がお粗末に思えて残念。人の欲が人を喰うのだなぁ。2018/06/09

aquamarine

95
若いころ、笹沢さんを読みまくった時期がありました。これも一度読んでいましたが、今回復刻されたので懐かしくて手に取りました。事件の経緯、追い方、犯罪の崩壊、題名の意味…どれもとても良くできていると思いますし賞も当然と思うのですが、今の復刻には古さが勿体ないです。初版が1960年。パワハラ、御家柄、金銭価値、科学捜査の可能な範囲などまるで今とは違います。私が読んだ当時でも時代背景は古かったので、今、若い方が手にとったらまるで実感がわかないのでしょうね。私はとても好きですが、長く愛されるものって難しいのですね。2018/07/03

かみぶくろ

86
タイトルに惹かれて怖いもの見たさで読んでみたら、普通極まりないミステリーだった。60年前の作品なので、作中人物のコンプライアンス意識がずぶずぶで逆に新鮮。だが、人間の本性や男女の痴情の縺れ的なものは現代にも完全に通じていて、社会制度やテクノロジーの進歩に足並みを揃えられない、いつまでたっても進歩しない人間の愚かしさみたいな部分は感じ取れた。2018/05/27

とろこ

83
もの凄く久し振りの笹沢作品。タイトルだけを見ると、カニバリズムか、はたまた、熊や狼などの野生動物が人を襲う話か、と思う。が、氏の作風を考えれば、違う方向性なのだろうと想定して読む。その点は当たった。だいぶ昔、労使交渉や組合の活動が盛んだった頃が舞台になっている。唯一の肉親である姉が、遺書を残して心中したが、死体が発見されない。その後、姉が勤めていた会社では、様々な事件が相次ぎ、姉の関与が疑われる。妹は、姉の無実を証明すべく真相解明に乗り出すのだが…。真犯人は、思った通りの人だった。2018/06/11

Shoji

70
昭和のレトロ感が漂うサスペンスです。描写されている情景に、所かまわずタバコ吸ったり、会社にコンプライアンスの概念がなかったりします。逆に新鮮で面白かったりします。ストーリーは、「会社組織内での出世欲」と「男女の愛憎悪」が渦巻くドロドロした人間関係が見ものです。最後まで読むと、タイトルの「人喰い」の意味が分かります。なるほど「人喰い」かって感じです。賛否両論あるようですけど、私には面白かったです。2018/06/26

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