集英社文庫<br> 燕は戻ってこない

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集英社文庫
燕は戻ってこない

  • 著者名:桐野夏生【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 集英社(2024/05発売)
  • 2026年、この年始に読みたい!集英社冬デジ2026 ポイント40倍キャンペーン(~1/22)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087446258

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内容説明

北海道での介護職を辞し憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳・独身女性のリキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニックの日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられる。バレエ界の「サラブレッド」としてキャリアを積み、自らの遺伝子を受け継ぐ子の誕生を熱望する43歳男性・基。その妻で、不育症と卵子の老化により妊娠を諦めざるを得ず、「代理母出産」という選択をやむなく受け入れる44歳女性・悠子。それぞれのままならぬ現実と欲望が錯綜する、ノンストップ・ディストピア小説!

目次

第一章 ボイルドエッグ
第二章 時間との闘い
第三章 受精行脚
第四章 BABY 4 U
第五章 赤子の魂

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

307
「女を買うくせに、売る女を馬鹿にする男」。その通りで耳が痛い。代理母も男の身勝手の極地のような気もする。男にも、身につまされるフレーズが多くあって、あっという間に読み切った。2025/12/02

道楽モン

109
これがリアルの一形態だ。桐野夏生は現実社会の抱える問題に対峙し、与えられる選択肢から容赦なく最悪解を選び続ける。その執念深さは、パラレルワールドとして何通りもあり得るストーリーから、悪夢のような最悪の世界へと読者を強制連行する。登場人物は誰一人真っ当な選択が出来ず、言い訳と責任転嫁によって己の欲望にのみ忠実で薄っぺらな思考を原理とする。つまり、知性による思考を放棄した、感情と欲望と快・不快だけの基準に満ちた世界。これを作品化することで、現実社会を俯瞰させる試みなのだろう。楽しい読書ではないのが当然だ。2024/05/26

ピース

80
代理母はなった時といざ出産となった時とでは心境が全く変わってしまうことが実際でもあるらしく大きな問題になるという話を聞いたことがある。最後にリキが取った行動には驚かされた。しかし他人事的に見れば合理的?草桶夫妻からみれば到底納得できないだろうが。ぐりとぐら、果たしてどちらの方が幸せになるんだろう?それぞれが違う形でありながらも幸せと思えればいいんだが。2024/09/12

マダムぷるる

59
作品に引き込まれ夢中で読んだ。リキと悠子の揺れる想いが響く。ビジネスとしての生殖、現代では影に日向に進んでいるのだろうが、簡単に解決しきれない矛盾や問題がたくさんありそうだ。今作では代理母となるリキの本能や感情が草桶夫妻にもエージェントにも軽んじられているように感じた。故にリキの理解者となるりりこの存在が救いかもしれない。数ページ読んだらやめられなくなり一気に読了。これが作家さんの力量。初めての桐野夏生作品。面白かった。2024/05/09

みんみ

53
非正規雇用のリキ。貧困、格差など負のループの中でもがき、元の不倫相手や自称セラピストとの関係も絶たない。そんなリキに危うさと不快感があった。そこは、桐野作品だなぁと思った。代理出産、不妊治療、知らないことがたくさん。それを否定するつもりは全くない。ぐらだけ連れて行くリキ。書類の愛蘑の名前に二重線を引いて訂正印。そこがまた、グロテスク。「女同士で生きていこう」と言うが、やっぱり、「子どもは誰のため?」と思ってしまう。2025/02/22

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