出版社内容情報
無人島に週刊大衆しかない!――テレビもない、ラジオもない、車は一切走ってない。あの村より何もない場所。ここは無人島。茫洋と広がる海辺に取り残された男がひとり。傍らには、何故だか“キング・オブ・週刊誌”の『週刊大衆』が一冊。“無気力文学”の鬼才が描く、徹底的に何も起きないサバイバル小説。カンカンと照りつける太陽の光と、『週刊大衆』の表紙の煌びやかな色彩の果てに、彼は何をみるのか。又吉直樹氏主演によるまさかの映画化で奇跡の文庫化。
内容説明
無人島に週刊大衆しかない!―テレビもない、ラジオもない、車は一切走ってない。あの村より何もない場所。だって、ここは無人島。茫洋と広がる海辺に取り残された男がひとり。傍らには、何故だか、そして、よりによって『週刊大衆』が一冊“無気力文学”の鬼才が描く、徹底的に何も起きないサバイバル小説。そう、何も起きません。でも、この退屈なる世界を生き抜く術が、確かにここにある…!書きおろし短編小説『オウム返し』を加え、奇跡の文庫化
著者等紹介
せきしろ[セキシロ]
1970年北海道生まれ。文筆家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
34
漂流した無人島に週刊大衆というシュールな設定。週刊大衆という単語をこれほど読んだ機会はありませんでした。というか週刊大衆自体を読んだ記憶が無い。。これを映画化とか尖りすぎな感じもするのですが、、ちょっと観てみたい。2018/05/13
ぜんこう
22
せきしろさんは西加奈子さんと共著の「ダイオウイカは知らないでしょう」で読んだのみ。 裏の本の紹介に「徹底的に何も起きないサバイバル小説」って書いてありましたが、たぶん小説でもないです。 無人島+週刊大衆をお題にしたエッセイかな。 面白いけどちょっと題材が限られているせいか僕は途中から少し飽きてきました。 文庫に加えられた書き下ろし「オウム返し」もちょっとくどく感じたし。 でも純粋なエッセイなら読んでみたい。 宮沢章夫さんや岸本佐知子さんみたいなぶっ飛び方ですから。2018/06/14
ちぇけら
17
妄想も膨らみ積もると小説になるって、せきしろさんは教えてくれた。事実は小説よりも奇なりというけど、それがほんとうなら、これは事実なのか?せきしろさんなら、ありえるかもしれない。というか事実じゃないなら、せきしろさん相当やばい、ってぐらいに無意味(ごめんなさい)な思考でいっぱいだ。無人島に漂流し、あるのは1冊の週刊大衆。それだけの状態で、160ページを越える妄想、いや小説を作りあげてしまう。「◯◯な週刊大衆」の連続で、満員電車のなか息をすることすら奪われ笑わされてしまった怨みは忘れない。妄想小説の大革命だ。2018/10/22
gachi_folk
16
大いなる妄想、究極のひとり遊び。のめり込むほどに危険度が増す。再読はさらに危険。おそらく再読した者は「週刊大衆」の定期購読を申し込みに書店へ走るだろう。世の中に「週刊大衆」があふれかえり、空き地で、幹線道路沿いで、そして浜辺で。僕らは「週刊大衆」に没頭し、夕暮れを待つ。そんな世の中が来るかもしれない。2019/04/30
江藤 はるは
10
週刊大衆が無いなら読まなかった2019/11/28