出版社内容情報
小島正樹[コジマ マサキ]
著・文・その他
内容説明
東北の寒村で受け継がれる千里眼・予知・呪殺の「三つの奇跡」。儀式を執り行う糸瀬家は、「憑き筋」として厭われてきた。探偵の海老原はその解明に挑む。一方、警視庁の鴻上管理官は、都内で発生した不可解な連続殺人の捜査に行きづまっていた。事件解決の鍵は被害者の血縁にあるかもしれない。村で邂逅した海老原と鴻上は、四半世紀前に発生した少女の神隠し事件、さらに憑き筋の糸瀬家と村を牛耳る染矢家の、怨嗟の歴史に巻き込まれてゆく。
著者等紹介
小島正樹[コジママサキ]
埼玉県生まれ。2005年、島田荘司との共著『天に還る舟』でデビュー。08年、『十三回忌』で単独デビューを果たした。15年、『扼殺のロンド』で第6回「駅の中の本屋さんが選んだエキナカ書店大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
81
探偵海老原浩一シリーズ。千里眼・予知・呪殺、東北で三つの奇跡の謎を調査する探偵海老原、一方東京での変死事件を追う警視庁の鴻上管理官。幾つもの奇想なトリック、三つの奇跡や神隠し、今作も期待通りのてんこ盛りでしたが、今作の大収穫は何と言っても海老原を民間人として敵視するイケメン管理官鴻上。この事件で初めて出会う二人の関係性がとても良く、この作品だけでは勿体ないくらい。噂によるとこのシリーズもそろそろ終盤らしく、それもまた非常に勿体ない。 2018/06/05
papako
70
今回は宮城の村。東京で起きた密室殺人と村での出来事がリンクして、古い因縁が動き出す。相変わらずの海老原、そして警察管理官の鴻上がいい味でした。ただ、誰も彼もどこかでお会いした感じで新鮮味はないんですよね。匂いで伝えるって!2020/06/04
とろこ
68
「呪い殺しの村」が、我が故郷の宮城県にあったなんて(笑)。しかも、大好きな白石温麺で有名な白石市にあったなんて。タイトルから想像していたものよりも、おどろおどろしくはなかった。が、「千里眼」「予知」「呪殺」など、オカルトめいた要素があり、かつ、本格推理として成立している点は好みだった。主人公であり、探偵役の海老原に魅力を感じられず、助手役の雫美に至っては存在感が薄過ぎたのが残念。自称美男子管理官・鴻上の内面描写に笑った。後半の展開がバタバタしており、やりすぎミステリーだったが、面白かった。2018/04/12
HANA
61
小さな村で行われる「千里眼」「予知」「呪殺」の儀式、東京で起こった不可能殺人、過去に起きた神隠し…。著者の作品は先に『武家屋敷の殺人』を読んだだけなのだが、本書も同様に徹底的にトリックに淫した造りになっていて読んでいて好感が持てる。ただ粗筋から横溝的世界を想像していたのだけど、土俗が持ちうる因襲と固陋はほとんど感じられなかったが。神隠しはあっさり解けたものの、残りに関してはツッコミどころも含めて瞠目。特に儀式のトリックといったら…。詰め込み過ぎで統一感が無くなってる気もするが、それもまた著者の持ち味かな。2018/10/08
momi
46
警視庁捜査一課のイケメン管理官「鴻上」の心の声に笑いがでます!今回は「奇妙な力を持つ一族」を調べるため東北の寒村に出かけた探偵・海老原ですが、そこで目の当たりにしたものとは…「三つの奇跡」とよばれる術!!千里眼…予知…呪殺!!この村では過去に神隠しが起きたり…復讐鬼の話が出てきたり…そして殺人事件と…相変わらずいろんなことを詰め込んで楽しませてくれる著者の作品ですが、今回ラストにむけての真相究明が長すぎて、ちょっとだらけてしまった感じがしますが…でも、私の好きなシリーズです〜。2018/04/02