出版社内容情報
東山彰良[ヒガシヤマ アキラ]
著・文・その他
内容説明
キッド・ラビットが昏睡から目覚めると辺りには人っ子ひとり―というか、兎っ子一匹いなかった。そう、ぼくたちは人間じゃない。兎だ。人間たちはまだ気づいていないけど、兎社会を脅かす大事件が勃発した。死者が甦り生者を襲ってむしゃむしゃ喰っているんだ。いまや森は屍兎どもの天下で、この兎史上最悪の事件を終わらせるには、死の山に棲む人喰い熊を狩らなければいけないという魔女ラビットのお告げなんだが…いったいなんてこった!『ジョニー・ザ・ラビット』から2年3カ月後の世界を描く、スラップスティック兎ゾンビ小説。
著者等紹介
東山彰良[ヒガシヤマアキラ]
1968年生まれ。第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞し、2003年『逃亡作法TURD ON THE RUN』でデビュー。09年『路傍』で第11回大藪春彦賞、15年『流』で第153回直木三十五賞、16年『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
76
出来過ぎなほど因果関係が結びついて細部までよく出来ていてまるで作ったかのような…あ、いや作り話だから当然なんだけど、うさぎさんの物語だからしっくりくるが、これが登場するのが人間だったらあまりにも出来過ぎで興醒めかもしれない?しかしこれはよく出来た浄化の物語である。生きていくことに、ましてや死を前にしては人も兎も平等である。兎たちは使命として人喰い熊に挑むが、その熊すらも母として子等を正しく導こうとする善良なる魂を宿している。人の視点によらない大自然の理に真の正しさが含まれて在るのかもしれない。2017/05/11
メルル
19
しまった、これは続編だった。前作を読んだ方がキャラクターの個性など、もろもろ掴みやすかっただろうに…。ゾンビという言葉に導かれ、何も考えずに読んでしまった。しかも兎がゾンビという不思議な世界観。可愛いかといえば、そうではなく生々しい。クマのプーさんを思い描いていたのに、野生の熊に対面した時のこれは思っていたのと違う感。そんな感じ(笑) でも時々、兎特有の可愛らしさが出てきて、笑ってしまう。自然の摂理を垣間見たような気がする。面白かった。2017/05/23
深海魚
1
ハードボイルドだった前作の次はゾンビ。ジョニーの息子(?)のキッドを筆頭におなじみのキャラも再登場し、これまでのいろんなものに片がつく。今回も詩情あふれる文章で、野卑と啓示に満ちた兎たちの黙示録が語られる。こんなに面白いのに、あまり読まれてなさそうなのが惜しい。2019/03/29
マコト
0
ウサギのゾンビ物小説、面白そうと思って読み始めたらウサギらしくたとえゾンビが溢れる世界でも、年中発情しているというとんでもない話だった。あふぅん2017/02/28
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