出版社内容情報
広瀬未衣[ヒロセ ミイ]
著・文・その他
内容説明
ひとつきに二度、満月が見られるブルームーンの8月。17歳の僕は京都の嵐山にある祖母の家に帰省した。一度目の満月の夜、僕は森の中で、傘で泉の水をすくう少女と出会う。「ブルームーンが終わるまで、ここで初恋の人を待っている」と言う彼女。同い年なのにどこか不思議な彼女や、彼女と歩いた夜の京都に違和感を覚えながらも、僕は彼女に惹かれていくが―「ずっと君を、未来で待っている」運命の糸で結ばれた2人を描く、時空を超えた恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
121
まずブルームーンに照らされた古都の静謐さ、傘を逆さにして泉の水を汲み「星を掬っている」という描写が素晴らしい。また余計な描写は後回しにしているので、場面でブレーキが掛かる事もなくスピーディに展開している点も著者の力量といえる。この作品の重点は、想い人の居る沙紀の幸せを、圭一が願ってやった事だと思う。施設から出歩かなかった沙紀は、相当な人間不信に陥っていたと考えられる。この4日間の出来事が彼女を変え、未来で再会する切っ掛けになったのではないかと思うのだ。(続く2016/12/09
おかむー
116
「京都の街並みを舞台に限られた時間のなかでの恋を描く」と書いてしまうと例の大ヒット作の二番煎じと思われそうですがこれは別物、むしろ大いにオススメですよ。『絶品』つけるか迷う『たいへんよくできました』。ひと月に二度の満月が見られるブルームーンと、その月を映す森のなかの泉を起点に描かれる4日間の京都の夜。なにしろ月の輝く夜に美しい彼女に恋をする物語なので、情景にとどまらず心理描写までが澄んだ爽やかな空気感でとても心が洗われます。主人公・圭一をはじめ、登場人物全員が「いいヤツ」なところも含めとてもきれいな物語。2017/01/22
相田うえお
95
★★★☆☆20084【青い月の夜、もう一度彼女に恋をする (広瀬 未衣さん)kindle版】ちょっとファンタジー入った恋愛小説でした。登場する彼も彼女も好感持てるんですよね。特に婆ちゃん、すげぇ〜んだよ!今でいう理系女子?婆ちゃんに何かを聞くと数学的理論に基づいた的確な説明でびっくり〜!しかも、優しいし、理解力あるし、トマトの木の話とか素晴らしいんです。ほんと、こんな婆ちゃんなら欲しい〜!後半は目頭がプチうるうるですよ〜。ちょっとだけ時間軸がややこしいんですけど、ほんと、優しさを感じる素敵な話でした。2020/08/12
takaC
88
『君の名は。』風だったがさらに輪をかけてややこしかった。正しく理解できたかどうか若干自信なし・・・2017/03/22
ミホ
71
京都本と聞きまして、折角今年旅行に行ったのでそれを覚えているうちにーと手に取りましたが、思った以上に京都本だった。えーこれ行く前に読んでたら観光場所少し変わったかもというくらい。しかし、旅で立ち寄ったキモノフォレストや天龍寺、渡月橋などなど懐かしく思い出しながら読めてなんだかすごく楽しかった。エブリスタ作品なのでかなり読み易く、私的にしっかり結末が分かり易くてお好みでした。今流行りのような内容ではありますが、なにかブームがあるのかな。2016/12/27