出版社内容情報
大沢 在昌[オオサワ アリマサ]
著・文・その他
内容説明
最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしている。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送っていた。しかし、過去がそれを許さなかった―葉山の手がけた最後の仕事が因縁となり、彼はかつての世界へ舞い戻ることになる。愛する者と、男の誇りを守るため、葉山はふたたび銃を手にする。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年名古屋市生まれ。79年「感傷の街角」で第1回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。86年「深夜曲馬団」で日本冒険小説大賞最優秀短編賞、91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞と第44回日本推理作家協会賞、94年『無間人形 新宿鮫4』で第110回直木賞、2001年『心では重すぎる』、02年『闇先案内人』で連続して日本冒険小説大賞、04年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞、06年『狼花 新宿鮫9』で日本冒険小説大賞、10年に第14回日本ミステリー文学大賞、12年『絆回廊 新宿鮫10』で日本冒険小説大賞、14年『海と月の迷路』で第48回吉川英治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
63
過去は振り返らない。はずが、速度を緩めた“今”に過去が追い付いてくる。逃げ切るには体力不足、振り切るには手遅れだ…それなら戦え。銃を取れ。高齢者たちのハードボイルドに熱い魂を感じてあっと言う間に読み終えてしまった。何とも言えない哀愁と、漲る成熟した強さが物語に深みを与える。彼らの決して誉められたものではない過去が因縁となり平和な毎日に影を落とす。年老いても未だに恋だけは駆け引きの全力疾走。前のめり描写が止まらない。それも踏まえて高齢の域に達した葉山は過去へと舞い戻っていく。衰えさえ味方につけた闘いは必見。2022/02/07
nonたん
24
65歳!カッコイイには歳は関係ない。一朝事あらば、心の中の刃を抜く!生きてる限り敵に回したらおっかない人!いやいやいやいや、じじいカッコエエ。2016/02/01
きょちょ
21
65歳の大学教授を主人公にしたハードボイルド。 彼は若い頃、強盗団の一員だった。 最後の犯罪が今頃になってむしかえされる。 誰が何の目的で?という話だが、それほどハラハラドキドキもないし、味付けのラブシーンもなんだかなぁ・・・。 サクッと読めただけ・・・。 ★ 2018/01/27
りちゃ
12
大人のハードボイルド。派手なアクションは無し。老いてもまだまだいけるぞ…の意味でのつかさの存在なのかもしれないが、私的に、要らない。ラストはさすが、年の功。といった感じか!?2017/04/12
flower0824_
8
解説によると老人ハードボイルドとのこと。主人公は六十五歳の大学教授・葉山英介。お金に余裕があるロマンスグレーの紳士で全方位からモテモテ。五年前に妻を亡くしているが、美形の甥・薫(ゲイ)に慕われ身の回りの世話を焼いてもらい、銀座のママとの愛人関係も二十五年続いていて、さらに友人の娘からも積極的な好意を寄せられる。葉山は過去法に触れる仕事をしていたが、当時の親分が現在高齢者施設に入っていて認知症っぽいところに哀愁が漂っていた。伏線かな?というこちらの読みもハズレて、ドンパチシーンもあっさりめで物足りない。2020/11/08