出版社内容情報
竹内 真[タケウチ マコト]
著・文・その他
内容説明
バツイチになったのを機に、資格を持たない“なんちゃって司書”として高校の図書室で働きはじめた詩織。慣れない仕事に戸惑うものの、生徒たちと本の橋渡しをしたり、謎めいた本の来歴を調べたりするうちに、次第に学校司書の仕事にやりがいを覚えるようになる。―自分の道を歩きはじめる女性と、読書を通して世界を広げていく高校生たちの姿が爽やかな感動を呼ぶ、ハートフルブックストーリー。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971年生まれ。慶應義塾大学卒業。95年に三田文学新人賞、98年「神楽坂ファミリー」で第66回小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
195
学校図書館の司書が、不当に不安定な雇用だったとは、案外知られていない。日本の文化度の底が知れる一例なのだが、それでも懸命に仕事にとりくむ人々はいる。これはそんな世界に飛び込んだ一女性の、ハートウォーミングで、少しミステリな出来事を描く話。本にまつわる「事件」もおもしろいけど、ラストでの決断シーンに、たくましさを感じる。そう、これは成長の物語でもあったのです。2017/07/11
しんごろ
179
高校の図書室の司書になり、ちょっと特殊能力を持った主人公が生徒達と本を通してまつわるお話!この作品は、実在する本が出てくるし、でてくるでてくる本が、ついつい読みたくなるんだなあ(笑)自分の中では隠れた名作!!続編でないかなあ(゚_゚)クラシックをBGMに再読したいね(^_^)いつまでも本を通して広がっていく世界であってほしい(^_-)2015/10/30
スズ
151
物に宿った想いを感じ取る事ができるバツイチ女性の詩織は、高校の学校司書として働くことになり、本に宿った様々な想いと出会い、多くの生徒達と触れ合っていく生活を始める事に。司書として働き始めた詩織が、生徒達に面白い作品を知って貰うために様々な工夫をしていたのが良かった。生徒達が本の感想、疑問に思った事、良かった部分を話し合うイベントを催すのはとても良いと感じ、作品に対する理解や他者との感じ方の違いを学ぶ事ができると感じた。司書の人達が、利用者が利用しやすい図書館作りをしてくれている事に感謝したくなりました。2016/10/17
machi☺︎︎゛
145
夫が失踪して職探しをしていた詩織。タイミングよく紹介された仕事、高校の図書室の司書。とりあえずという気持ちで始めた仕事だったが奥深い司書という仕事にやりがいを感じ始める詩織。物に集中して触れると残留思念が分かるという特技を持った詩織がそれを生かして人とのつながりを持っていく。既存の本とかも出てきて楽しく読めた。司書さんっていい仕事だなー!!2020/04/23
おしゃべりメガネ
143
ハードカバーで読んで以来、五年半ぶりの再読です。カメラマンのご主人が理由もわからぬまま、ある日突然いなくなり、結局そのままバツイチとなった「詩織」は友人のすすめで高校の図書室で司書として働くことに。そんな図書室で生徒や先生達と出会い、またそんな彼らから色んな作品と出会うきっかけもあり、様々な問題などを解決していきます。最初は'なんちゃって'な感じでやり始めた仕事も、どんどんやる気になっていき、次第にやりがいを覚えるように。そんな彼女のこれからの道を歩き始める姿と読書を通じるふれあいがステキな一冊でした。2020/01/15