内容説明
柔術王国たる九州では、古流柔術の猛者たちが激突し、全国一の規模を誇る関東の揚心流戸塚派は、新興の講道館に激しく対抗心を燃やす。新しい時代、この国で覇をとなえるのは誰なのか?運命の「警視庁武術試合」を前に、闘いはいよいよ激しさを増す。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年神奈川県生まれ。77年、SF文芸誌『奇想天外』にて「カエルの死」でデビュー。89年『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。2011年から12年にかけて『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
35
講道館とは何だ。嘉納治五郎とは誰だ。柔道とは?。各地の古流の柔術の猛者が、その実力を計るため関心を寄せる。物語は治五郎本人より講道館四天王と呼ばれた個人にスポットし、それは、のちに警視庁武術大会で当たるであろうライバルたちにも。常軌を逸した鍛錬と、それに耐えれるだけの肉体。その力が顕す驚異の修羅場。大会に向けて状況は、うねる様に盛り上がっていく。そして影の主人公とも言える、武田惣角。やがて流れを分ける、柔道と合気の混沌の時代。2024/03/26
ぶんぶん
20
【古本屋】す、凄い、第2巻は凄腕の敵方相手がぞろぞろ出て来る。 益々、格闘小説の模様を呈した来た。 横山作次郎、中村半助、仲段蔵、佐村正明、武田惚角、大竹森吉、照島太郎らがそれぞれのエピソードで綴る。 講道館柔道をモチーフにした、これは格闘小説である。 多少、フィクションも交じるが獏さんは良く資料と格闘してる。 事実に即した小説の按配を良く判っている、これが、資料の羅列では味も素っ気も無い、その点、格闘小説の雄である獏さん、血わき肉躍る小説に昇華してる。 いよいよ、第3巻に移ります。2023/10/22
Syo
16
これまた良かった 嘉納治五郎2024/04/15
眠る山猫屋
15
一巻が講道館の面々の紹介だとしたら、二巻はライバルたちの群像劇。どこまでがフィクションなのだろう。興味深いエピソードの持ち主ばかり。勝海舟や西郷頼母なんて名前まで飛び出してきた。そして描かれる警視庁武術大会への道。そのルールはまさに、現在の異種格闘技戦そのままではないか!2015/10/18
しましまこ
10
疲れた。嘉納先生の出番は少なくて、漢達が正に命懸けで闘っております。試合と言えば技が決まれば決着ではなく、動けなくなるまでの命懸けの時代。骨が折れたり靭帯ちぎれたり。やっぱ貘さんの熱さは苦手。正確な記録は残ってないという「警視庁武術試合」どんな風に書くのかな。もっと嘉納先生出してくれー!2014/10/25