内容説明
雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに一本の電話がかかってきた。低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。開いた記者会見では社長と工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか?そのとき、無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた!痛快無比の企業エンターテインメント。
著者等紹介
戸梶圭太[トカジケイタ]
1968年東京生まれ。学習院大学文学部心理学科卒業。99年『闇の楽園』で第3回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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流竜会
50
ここまで描くか、と正直思った本作は、間違いなく雲印ならぬY印の物語。不祥事発覚に至る経緯や大樹工場なる名称まで、登場人物の心の内は分からぬものの、殆ど十数年前の事実のコピー。企業小説と読めば危機管理の原点みたいな話であり、群像劇として読めば、人間関係の醜さと脆さを凝縮したような・・・。結構笑えるし頷けるのだが、真面目に読めば読むほど中盤以降の脱線度合いがバカバカしく、題材にしたY社に失礼なんじゃないかと思ったりもした。Y社は、あの事件を契機にCSR体制を見直しただけに、余計そう思った。r2016/07/30
H!deking
40
集団食中毒事件を起こした雲印牛乳。国内トップシェアを誇っていたが、社長のダメダメな記者会見で信頼は失墜する。会社の立て直しを図り、クビキリチームが編制され、、、的なお話。前にあった例の食中毒事件をモチーフにしてるのはあからさまで、今回もなかなかふざけてて面白かった!いやー、トカジさん、クズ人間書かせたら上手いな~。もうすっかり癖になってますw2017/06/29
マイマイココア
20
雲印乳業の牛乳を飲んだ何千人もの人が食中毒に。会社の役員達がろくでもない奴ばかりで、そいつらを倒すために行動を起こす社員がいる!これって雪印がモデルよね(笑)有り得ないし、下品だけど、なかなか面白かった(*´▽`*)2015/10/17
くまちゃん
17
雲印牛乳を飲んで食中毒!しかも何千人にも広がって。真相は衛生面がかなりずさんで、上層の役員は知っていて隠蔽していた。このままでは会社は倒産するしかない。会社を守るべく上層の人間を解雇する「クビキリ前提内部調査チーム」を立ち上げる。中盤まではチームが淡々と成果を上げてクビキリをしていくが、チームのリーダー宮部が途中で抜け出し愛人と密会あたりからドタンバタン!!戸梶の味が出てくるw2019/11/05
まあちゃん
15
道民にとって雪印の不祥事は大きな衝撃だった。「空飛ぶタイヤ」的なものを期待して読み始めたが、題材としただけで、茶化し放題、社会派小説でも全くない。ドタバタ深夜ドラマ的な感じ。自分が読みたいような内容ではなかった。2016/11/30