内容説明
「よーし、今から俺の形見分けをするぞ」と、サニー多田良こと多田良三四郎が孫たちに宣言して取り出したのは、トランペットケースいっぱいの根付。歩、進、望の三兄弟は、それぞれひとつずつお宝を手にする。どれも曰くつきの品で、深い物語が込められているらしい。やがて、三四郎はラスベガスへの博打旅行に勇躍出かけるが、搭乗した飛行機が墜落したという報せが家族の元に届く。そして、数年後―。読めばじんわり温かくなる愛すべき家族の物語。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971年生まれ。慶應義塾大学卒業。95年に三田文学新人賞、98年「神楽坂ファミリー」で第66回小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きょん
10
分厚さにやや腰が引けて積んでおりましたが、読み始めたら一気でした。終戦後からトランペット一本で生きてきたサニー多田良のキャラクターが素敵。孫三人の其々の生きる道を見つける青春小説としても秀逸。面白かった。2014/10/12
みくに
8
歩の選んだ、根付だけはサニーの人生にそんなに関係なくてちょっとがっかり。表紙に絵も無いし…。長女としては長男に肩入れしてしまうけど、感はやっぱり鈍いって事なのかなあ…。決断力がないというか遅いというか…。 2018/10/16
Hiroshi Shiina
3
とある家族のハートウォーミングなはなし。根付のなんたるかを物語を通して教えてもらった。すてきなお話でした。2014/05/06
水無月
2
祖父の形見の「根付」に潜む謎を、三兄弟それぞれの視点で過ぎる数年間と共に解き明かしていく家族の物語。数年ごとに変わる語り部は、その世代特有の悩みを抱え、人生を広げる人との出会いと兄弟の成長が共に暖かく描かれる。少しベタで予定調和な展開も、最初から最後まで嫌みのない爽やかな空気が感じられて、安心して最後まで読めたので逆に良かった。やさしいお話が読みたい人におすすめしたい一冊でした。2020/07/25
ねぎまぐろ
1
★★★2020/09/03
-
- 和書
- もっと素敵なキスのために