内容説明
かつてスター選手だった秋草隼は、膝の故障で現役を引退した。再手術し、人目を避けて寂れたバッティングセンターに通うものの、四年が経ち、選手としての夢は消えかけている。そんな秋草に旧知の球団GMから意外な話が持ちかけられた。ある大物選手に、ドーピング疑惑があるらしい。この疑惑の真相を突き止めるため、秋草に選手として内部から調査してもらいたいという。一度は断ったが、現役復帰への思いに抗えず、秋草はスパイを引き受けることに―。スポーツ界の闇と再起をかけた男の奮闘を描く野球ミステリーの傑作。
著者等紹介
水原秀策[ミズハラシュウサク]
1966年、鹿児島県出身。早稲田大学法学部卒業。不動産会社勤務、衆議院議員秘書(公設第二)などを経て、第3回「『このミステリーがすごい!』大賞」大賞受賞、『サウスポー・キラー』にて2005年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょこまーぶる
46
読後は面白いけどなぁ~な一冊でした。球団のドーピング疑惑を解明するために現役復帰する元スター選手の話でした。設定で面白く感じて期待し過ぎだったかもしれないけど、もう少し深く展開しても良かったかなと個人的には思ってしまいました。でも、元スター選手がスパイとして復帰したにもかかわらず、プライドもあってか選手として球団に貢献をする姿に現在の球界ではありえない設定だと思いますが、一人の選手の本音?を少し知ることができた点は読んでいて楽しかったですね。2023/05/13
ドリル
15
★★★2022/09/20
おくりゆう
13
サウスポー・キラー以来の作者の野球ミステリで、膝の故障が原因で引退したかつてスター選手、秋草が旧知のGMから持ちかけられたのは、選手復帰とチームの主力選手のドーピング疑惑の調査だった、というお話。様々な人物が関わるスリリングな調査の展開とは別に主人公秋葉の心情描写がよく、この手のお話として個人的に期待している終盤の野球シーンの盛り上がりも野球の魅力を十分伝えてくれるものでした。またウェイトシフトタイプとトップハンド・トルク打法のくだりは興味深かったです。2013/08/14
TOSHI
8
膝を怪我して引退した秋草がドーピング疑惑の調査のために選手として復活。現実にはあり得ないシチュエーションだが、物語はテンポよく進むし、面白いから細かいことは気にしません。復帰の理由が何であれ、体が思い通りに動けなくたって、結局頑張ってしまう秋草の姿を見ているとつい応援したくなる。登場人物が個性的で、ドーピングに対する意見も立場によって様々で興味深かった。それにしても塔子さん素敵な人だなぁ。秋草復帰の真の立役者はこの人だね。2016/08/01
oooともろー
6
野球界にはびこるドーピング。疑惑を解明するためにスパイとして復帰する秋草。誰が見方で誰が敵か。黒幕は?ドーピングをやっているのは誰なのか?各々の利害が絡み、意外な真相が明らかに。2019/05/17