内容説明
自殺とされた資産家夫人の不審死。彼女に呼び寄せられるかのごとく、法要のたびに少女が殺される。一周忌には生きながら串刺しにされ、三回忌には首を持ち去られ、七回忌には唇を切り取られていた。そして迎えた十三回忌、厳戒態勢の中、またもや事件が起きた―。巧みな謎と鮮やかな結末に驚愕必至の長編ミステリー。
著者等紹介
小島正樹[コジママサキ]
埼玉県生まれ。2005年、島田荘司との共著『天に還る舟』でデビュー。2008年、『十三回忌』でソロデビュー。スケールの大きなトリックと、どんでん返しを得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
239
作家新規開拓第二弾。かなり好きな系統ではあり、関心を惹き付ける謎の提示が上手。他の作品も間違いなく読む。『やりミス』らしいが、言うほどやり過ぎてはいない。全体的には面白かったのだが、トリックが突飛過ぎて、という以上に、文章だけでは物の配置状況等が全然伝わってこないから分からなくなっているだけな事も多い。特に仮面館の事件。島田荘司氏と比較されているレビューも多々あり、作風や経歴からもそれは仕方ないが、その差の多くは人物や事件の背景描写であり、この先に期待を抱かせてくれる貴重な本格作家さんだ。2016/08/28
ちょろこ
124
ひたすら どうやって?を楽しめた、一冊。資産家夫人の不審死を発端に法要のたびに起きる猟奇殺人事件。三、七…ついに十三回忌でクライマックスを迎える。串刺しだの首無しだの唇持ち去られだの…とにかく猟奇っぷりが半端ない。一番戦慄を覚えたのは首無しのトリック。これはどんな表情でこれをしたのか…想像したくない。串刺しはこってるなぁ…図解も欲しかったぐらい。人物像にあまり焦点があてられていないせいもあるのか、誰にも感情移入はしない。その分、ひたすら どうやって?に興味惹かれ、楽しめた作品。2020/04/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
120
海老原浩一その2。単独ではこれがデビュー作。トリックに無茶がありすぎるような気が・・・(特に串刺しのやつ)。2016/07/13
nobby
108
目次の後に、地図・23名の登場人物一覧・家系図と目にして構えたのに反して結構あっさり読めたかな(笑)資産家 宇津城家での法要の度に少女が惨殺される。一回忌では串刺し、三回忌には首を斧で狩られ、七回忌は唇を切り取られ、そしてまた十三回忌に起こる悲劇。その復讐を仏事な風習に重ねるのは面白いが、何しろ長きに渡り過ぎる感は否めず、何とも警察の無能さが情けない…残酷な事件の割にはあまり起伏なく読み進める感じ。やりすぎと評される数々の仕掛けはだいぶ強引ながら嫌いではない。真相分かって読む犯人視点の幕間の章はなるほど!2018/09/05
セウテス
91
【海老原浩一シリーズ】静岡の資産家の屋敷で、タイトルの如く最初の事件から13年にわたり起こる連続殺人。やり過ぎミステリなどの評価は聞こえていたが、トリックや謎解き自体は結構楽しめる。ただ探偵が推理のみから、アッサリと発見してしまう被害者の首を、警察が何年かかっても発見出来ない等、設定にツッコミたい処が目立つ。私は読みやすかったし、詰め込み過ぎとの感想も良くわかるが、デビュー作品としては満足してます。探偵の海老原の特徴というか、人間的な魅力が固まるなら、イメージしやすくなりシリーズとしての意味も増すだろう。2021/01/08