内容説明
白狼と呼ばれた総攬把・馮天海に認められ、遂に抗日馬賊の頭目になった柴火。一方、かつての仲間・徐瞬は、柴火を想いながらも義を貫くため、川島芳子率いる日満軍に与する。柴火、徐瞬、川島芳子。それぞれの信念と誇りを賭け、白銀の大地で三者がぶつかる。そして、遠大な計画を胸に兵を進める伊達順之助は…。蹄戛と喊声が曠野を走り、狼叫が谺する第二幕、慟哭のラストへ。
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年山口県生まれ。明治学院大学法学部卒業。雑誌記者を経て、87年『ルパン三世/戦場はフリーウエイ』でデビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞と第12回大藪春彦賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
26
寂寞たる読み味。しかし、必ずしも虚しさだけが残る訳ではない不思議。『戦争といえども浪漫があってもいい』そういう気分は、きっと日本の方にしかなかったんだろうな。五族協和という美しい言葉を、単なるスローガンに堕してしまったことで失った信頼は、いまだ回復できていないという事なのかも知れない。2011/01/21
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
16
ラノベっぽいカバーで、読者を限定してしまうのではないか…と惜しまれます。 迫力の戦闘シーンに手に汗握り、日本占領下の中国・満州国内の各陣営の動きに引き込まれ、魅力的な登場人物たちに感情移入しつつ一気読みできますよ! でも、退場者(=死亡者)もハンパなく、全編に寂寥感が漂います。 信念や夢、義、プライドをかけて、国と国、同胞同士が戦わなければならない戦争の愚かしさ。 哀切な戦いの果てに何が残るのか、完結編で確認したいと思います!! 2012/04/23
よしだ まさし
3
再読であるにもかかわらず、初読と変わらぬ面白さの一気読み。まさに、冒険活劇小説を読む喜びを思いっきり味わえる作品だ。さあ、これで新作の『竜虎(ろんふー)』に取りかかれるぞ。ヒロインの柴火にどのような運命が待ち構えているのか、楽しみだ。2012/04/19
Zero Cool
2
ちょっと時間が掛かりましたが読了しました!満州を舞台にした冒険小説は初めてですが、登場人物に知っている名前が登場して「ふ~ん」って納得しながら読み進めることができました。シリーズものですから、最初から読まないと理解できない部分がありますから、シリーズの最初から読むのが良いのでしょう。ちょっと後半、勢いがなくなった感はありますが、それでも十分に楽しめました。2013/05/02
外道皇帝
2
上下巻まとめて。男装の麗人・川島芳子を新たなキャラクターとして迎え、波乱万丈疾風怒濤の展開で息もつかせぬ面白さ。再読なのにこの面白さはなに?。時代に翻弄され、意図せぬ立場に立たされて他戦う登場人物たちの葛藤。面白すぎです。「竜虎」がめちゃ楽しみ。2012/05/02