出版社内容情報
FBI捜査官のタミは、誤って現地の女性警官の息子をひき殺してした日本人女性の警護をすることに。息子にも非があったとして告発はされなかったが、女性警官は納得せず、復讐を宣言して失踪した。迫りくる復讐者の手から女性を守ることができるのか。
内容説明
アメリカ合衆国の首都、ワシントンDCにある空港で少年が車に撥ねられ死亡した。撥ねたのは日本人留学生・カオリ。取り調べの結果、カオリは告発されなかったが現職警官である少年の母親は納得せず、復讐を宣言して失踪。その報を受けて、FBI捜査官・タミはカオリを警護することになる…。捜査陣に罠を仕掛け、幾重にも敷かれた捜査網をことごとく破る暗殺者と、必死に職務を遂行するタミが究極の心理戦を展開する超一級サスペンス。
著者等紹介
多島斗志之[タジマトシユキ]
1948年大阪生まれ。早稲田大学卒。85年『“移情閣”ゲーム』でデビュー。以降、ミステリーをはじめ、国際謀略小説や海洋冒険小説、青春小説など多彩な作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chiru
114
『リメンバー・パールハーバー』でエキサイトする12月のアメリカで起きた悲劇。日本人留学生が、絡んできた米国少年を轢き殺した事件。“絡んだ少年(米)”と“殺した留学生(日本)”のどちらが悪いのか…。その構図を真珠湾攻撃に置き換えるという、生々しいほどのリアルさ。反日感情の波はやがて、復讐を誓う少年の母親の援護射撃となっていく。もしクリスマスに起きた事件じゃなかったら…“少年の母親の手”を“命を奪う手”にせずに済んだかもしれないのが、せつない。説得力と余韻を持たせ、最後は清々しさまで味わえた傑作。★42019/12/27
goro@the_booby
57
【クリスマス読書会】ワシントンDCで交通事故により死亡した息子の復讐に駆られる警察官の母。加害者となってしまった日本人カオリと警護に当たる日系FBI捜査官タミ。エコノミックアニマルと呼ばれ嫌われてる日本人の世相も反映して物語は進む。ラストは山荘を舞台になるけど、クリスマスの黙示はそこだったのかと決着でした。2021/12/21
森オサム
51
クリスマスシーズンにそれらしい物を読もうと、積読から選んだ1冊。舞台は30年前のアメリカ。バブル絶頂期の金持ち日本人は、アメリカ人からは嫌われてたんだね。しかも12月にはパールハーバーを思い出すみたいで、なかなかのバッシング振り。主人公は日系FBI捜査官で、息子を亡くした母親が復讐しようと日本人留学生に襲い掛かる所を、保護し戦う事になります。登場人物はほぼアメリカ人で、翻訳ものを読んでいる様な感じ。サスペンスとして悪くなかったとは思うけど、クリスマス感はゼロで、タイトルは詐欺じゃねーか?、と残念(笑)。2020/12/23
チアモン
47
映像化したらとても面白いと思った。とても臨場感が溢れてハラハラドキドキが止まらなかった。でも、ラストはちょっとあっけなかったかな。他の作品も積読しているので早めに読んで行きたい。2018/09/14
momi
42
「黒百合」「少年たちのおだやかな日々」著者作品三冊目!!この作品は1990年の作品にもかかわらず古さを感じず、とても日本人の作家さんが書いたとは思えない、翻訳本のような雰囲気のある作品でワシントンを舞台に繰り広げられるサスペンスです!結末は分かっているがハラハラ・ドキドキが止まらない!!復讐の鬼となった母親と女FBI捜査官の攻防戦!少しあっさりと終わる結末も、これはこれで良かったと思う。ぜひ著者の他の作品も読んでいきたい。2017/04/21