内容説明
シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手を追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つ重大な目的があった。それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の無限のイマジネーション。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。1991年『六番目の小夜子』が第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に選ばれ、デビューする。2005年『夜のピクニック』で第2回本屋大賞と第26回吉川英治文学新人賞、2006年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞長編賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
146
「MAZE」で初めて登場した、忘れられないキャラの神原恵弥が登場し、妹の和見を連れ戻すためにH市を訪れる。クレオパトラと呼ばれる物を巡り、関係者の思惑や駆引きが激しくなるサスペンス・ミステリー。読めばH市は函館を指していることが分かり紀行小説のようにも、マツコ・デラックスのような恵弥の面白い毒舌も楽しめる不思議な小説。2020/02/06
相田うえお
130
★★☆☆☆18053 摩訶不思議アドベンチャー的雰囲気を持つ壮大な内容の前作MAZEと本作品は同じシリーズなのにスケール感がまるで違います。当方、その違和を消すのに少々時間がかかりました。MAZEが傑作だっただけに期待が大き過ぎてしまったかも。本作品は舞台規模も起伏も小っちゃなイメージで、巧妙な会話によりストーリーを成立させていくタイプのミステリー作品。北海道H市界隈を中心としG稜郭も出てきます。(HとかGでボカすの意味ねー。よくあるトラベル系殺人事件とかはタイトルに堂々と観光地名使ってるのにね。)2018/07/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
119
神原恵弥その2。本作では妹の和見との攻防?。冷凍みかんが食べにくくなる・・・。2015/06/11
しのぶ
113
一冊読み切りものと思って手に取ったらシリーズ第二弾。史実をもとにオネェ言葉の似合う魅力的なキャラクター恵弥が謎解きに挑む。よく考えると壮大ではあるが思ったよりも動きに派手さがなく淡々と進んで「このまま終わるのか」と思った所でどんでん返し的な真相?が。じっくり読むと味わい深い作品。2017/12/14
カロリーナ
79
再読☆3+ 神原恵弥シリーズ第2弾。北国H市へ不倫相手を追いかけて行った双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった神原。その目的とは「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻き立ててきたものとは…。長編ミステリー。異国の地が舞台となった前作から一転、函館で繰り広げられる物語からは独特の空気感は消失してしまったけれど、主人公をはじめ、主要な登場人物たちの描写と、彼らの腹の探り合いがとても面白かったです。↴2015/09/20