著者等紹介
津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年、広島市生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒。1989年より津原やすみ名義で多数の少女小説を発表。1997年、現在の名義で怪奇幻想長篇『妖都』を上梓
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感想・レビュー
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ケイ
46
まさか、「ブラバン」を書いた作者がこういうものを書くなんて。作者が言う「果てしない推理小説でもあるし、もの悲しいポルノグラフィティでもある」というのはまさにそう。性描写は淡々としていて熱がない感じでそれほどページもさかれていない。会話とか独白がくどいほど長く、簡潔にした方が作者が描こうとした観念的なものが理解しやすいように思う。他人には、敢えてすすめないかな。2014/04/02
踊る猫
7
三度目くらいの再読になる。ここまで性的な要素に満ち満ちた作品だったのか、と読みながら唖然とさせられる。それに加えて、首吊り自殺という重要な事柄が反復されていることも読み飛ばしてしまっていたことに気づかされる。更には小説家を名乗る男の行動と、小説を文芸誌に掲載されたことのある主人公の運命も見事に反復されており、二重・三重の仕掛けが施されているという……これは見事な作品と改めて感服した次第である。その筆力に引き込まれてしまったこともあって、一気に読んでしまった。読者を選ぶ作品だと思うが、著者の技巧が冴える逸品2016/07/27
ネムル
7
文庫で450ページ程度の作品ながら、読了に四日を要した。巻頭に舞台が「井ノ頭恩賜公園とその周辺、および管理人の記憶と夢想」とあるが、濃厚な妄想が物語を何処までも追いやってしまう。とにかく文密とねっとり描写が凄すぎる。例によって頭がパンクしたが、大いに笑かしてもらいました。2009/02/10
いきもの
2
グロテスクで耽美で幻想的。主人公の追想が頻繁に織り交ぜられる。その追想が唐突にはじまり唐突に終わる。淡々としているがグロテスクなクラシック音楽のような作品。2010/04/04
シダ
2
これも混沌。取り敢えず最後のページまでめくった、というレベル。腹に来るので体力があるときに要再読。