出版社内容情報
記憶のメモリーが1分も保たず、感情のコントロールが利かなくなり、理解力や判断力も低下。足腰は弱り、自立生活が困難になっている高齢者の面倒を10年20年と見続けなければならないとしたら、子どもだけでなく孫世代までもが巻き込まれ、共倒れになりかねない。自分の両親と子どものいない叔母夫婦4人の介護をする著者が、その実態を赤裸々に綴ると共に、「早くお迎えが来て下さい」と祈ってしまうのはあなただけじゃない、あなたは悪くない、と介護者の気持ちを軽くしてくれるエッセイ。「大介護時代」必読の1冊
内容説明
本音炸裂!きれいごと一切なしの赤裸々介護エッセイ。
目次
第一章 もう勘弁してよ!これでも高齢者は弱者なのだろうか
第二章 ゴミ屋敷と化した家で暮らす叔母夫婦に唖然茫然
第三章 おとうさんが硬くなってるんだけど
第四章 父亡き後、母がモンスターと化す
第五章 施設に入居した叔母の言動に頭を悩ます日々
第六章 暴風雨の日に母が転倒し救急搬送、からの開頭手術
第七章 要介護4になったのを機に、叔父宅の解体を決意
第八章 母との決別を心に決めた日
著者等紹介
こかじさら[コカジサラ]
1958年千葉県生まれ。中央大学専門職大学院国際会計研究科修士課程修了。出版社勤務を経て2016年『アレー!行け、ニッポンの女たち』講談社刊(『負けるな、届け!』として文庫化)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
94
実母の介護関係があり、介護系で惹かれる物は読んでいるが、その中では一番しっくり来た本かもしれない。何より、とあるケアマネさんが呟いたという、実際に介護した人は葬式では泣かない、である。この本の中身と共に大きく頷いてしまうのである。本来、憎むべきは認知症そのものなのであろうが、肉親で特に親である事が為せる事であり、もう充分と思わせる現実の内容がストレートにここにはある。だから、泣けないのであろう。介護スタートからラストは金銭面迄、全くバイアスなく入ってきて、僕の今迄と今と今後が書かれているのだと思えた。2025/10/18
sayuri
40
仏壇に向かい、亡き祖父母に「早く、あなたたちの娘を迎えにきてよ」と祈り、「いっそ、明日にでも逝ってくれたら」としばしば思う。自分の両親と子どものいない叔母夫婦の4人を介護されるこかじさんの嘘偽りない本音だ。前作の『寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ』から、こかじさんの心身を削る介護地獄を読んで来ただけに薄情などと一切思わない。このエッセイを面白いというと語弊があるが、凄く面白い上に、身の振り方を考えさせてくれる。今、介護されている方も、未経験の方も読んで損はない。介護のリアルを赤裸々に描いた良作。2025/06/27
しのさー
19
読みやすく両親と叔父叔母の介護をする問題やストレスが突き刺さってくる 両親を見ていると自分も高齢になれば似たようなことをするのかなと落ち込むことがある ストレスとプレッシャーは、ずっとついて回るし、あの時ああすればよかったとか後悔ばっかり… 色々ぐるぐる考えながら読了 読めてよかった2025/07/27
ぷく
10
本書の中で語られているが長寿にたいする礼賛や耳目に触れるのが超高齢でかつお元気なお年寄りなので実際に親の介護をしてみると綺麗ごとでは済まないし、心が傷つく日々。介護をされている方は私のように黒い気持ちで向き合ってはいなんだろうなと思っていたが介護する側の心情を赤裸々に語っているのでホッと出来た。我が家の介護は新たなステージを迎えているのでやっぱり簡単には進めないこと、傾向と対策が出来たこと、出会ってよかった。(図)2025/09/21
ichi
7
【図書館本】実親やおじ、叔母の介護エッセイ。実の親子だからこそ、こじれるとむずかしい。介護施設や家の片付け、解体費用など、とても参考になりました。何もするにもお金がないと。2025/10/20
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