出版社内容情報
書評誌として、現在も根強い人気を誇っている『本の雑誌』。その後、作家や映画監督として活躍する椎名誠、書評家・北上次郎名義でも知られる目黒考二の二人を中心に創刊された雑誌で、その創刊秘話は椎名誠『本の雑誌血風録』、目黒考二『本の雑誌風雲録』に詳しく描かれている。今回は、その二冊を底本に、関係者への取材をもとに『本の雑誌』創刊時を、こちらも読書界を震撼させた『どくヤン!』の作画担当であるカミムラ晋作が完全漫画化。70年代、もっとも出版と雑誌が熱かった時代が、ここにある!
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
71
「本の雑誌」を立ち上げた椎名誠さん、目黒孝二さんの著書「血風録」「風雲録」を底本とし、関係者への取材を重ねて完全漫画化していく本作。2冊を合わせて描かれる上に、緩さと熱量が同居したあの独特で最高の空気感を表現するのは相当難しいと思われるのに、見事に違和感なく惹き込んでくれる物語になっていて感動。本で繰り返し読んだあの世界を映像として見せてもらっているような高揚感で、あっという間に読み終わってしまった。椎名さんの吸引力、(⇒)2023/02/23
ナミのママ
62
Web版で読んでいたが改めて紙で購入。現在(最近)の本の雑誌は知っているが初期の事は知らなかった。創刊のいきさつや、立ち上げに関わった人の経歴が面白い。大好きな読書を仕事に結びつけたそのパワー。勢いを形に変える。杓子定規な規則に縛られないゆるっとした時代がいい感じで楽しい。(目黒考ニイラスト入りサイン本)2023/05/24
kokada_jnet
57
椎名誠、目黒考二が出会ったころから描きはじめ、この巻の終わりで、ついに「本の雑誌」が創刊される。創刊にかかわった人物がいた双葉社から刊行されているのも、不思議な縁。どれくらいの長さの連載になるのだろう。沢野ひとしの奇人キャラがいい。木村弁護士は間接的にしか登場せず。2023/04/15
akihiko810/アカウント移行中
33
2巻まで。70年代、椎名誠と目黒考二の二人が雑誌「本の雑誌」を立ち上げる青春の実録物語。 業界紙を作っていた椎名のもとに、部下として目黒がやってくる。目黒は「働くと本が読めないので、仕事を辞める」と言い出し…。目黒の書評の才能にきづいた椎名は、目黒と共に書評雑誌「本の雑誌」を立ち上げる。 いやあ、面白い。「本の雑誌」は読んだことないのだが、椎名誠の青春物は学生時代にいくつか読んでいた。また椎名誠の本を読みたくなった。2025/05/15
ぐうぐう
31
「本の雑誌」の社史である目黒考二『本の雑誌風雲録』と椎名誠『本の雑誌血風録』を原作とする『黒と誠』。この原作を青春熱血タッチでコミカライズするとは、一体どんな冗談なんだ?と訝しみながらの読書となったが、なんのなんの、これがめっぽうしっくりとくるのだから不思議。巻末のおまけマンガや「本の雑誌」12月号の『黒と誠』特集での関係者の証言からも好評が伝わってくるので、このタッチは成功だったわけだ。(つづく)2022/12/25