出版社内容情報
身の回りの人々や近くで起きた出来事を卓越した観察眼で活写した『犬棒日記』の続編が誕生! 今作では、世界を襲った新型コロナウイルス禍での生活も描かれ、この先の記憶にとどめたい1冊になりました。それぞれの人のそれぞれの事情とは……。
内容説明
買物に出かけたとき、公園を散歩しているとき、電車に乗っているとき、食事をしているとき…。あら?あの人は何をやっているんだろう。日常生活の中で見かけた「あの人」を描く、圧倒的人間観察記、待望の続編が誕生!!
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務を経て、88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞の優秀作になりデビュー。96年『凍える牙』で第115回直木三十五賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞を受賞。また、16年には『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
210
乃南 アサは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。4年前に読んだ犬棒日記の続編、今回は半分がコロナ禍です。著者は、日々人間観察を行っているのでしょうか? https://colorful.futabanet.jp/articles/-/1212 2月は、本書で読了です。2022/02/28
いつでも母さん
167
乃南さんの人間観察記。続だもの。前作を読んだ時も感じたはずだが、いつ何処で見られているか・・何をしてても不安になるには私だけだろうか?(笑)作家だもの目撃した事から想像の翼が広がる広がる。『人の振り見て我が振り直せ』とか『身の丈にあった』とか『コロナのせいにはしたくない』そんな思いが沸々との私だった。前作から約4年・・こんな状況になるなんてね。それでも人の暮らしは続いて行くのだ。2022/03/23
Ikutan
83
乃南さんの人間観察日記第二弾。相変わらず、乃南さんの観察力は鋭くて、私もこんな風に誰かに観られているかと思うと、冷や汗たらたら、心臓ドキドキしちゃう。そして、色んなシチュエーションから膨らむ想像に、どのエピソードも、ちょっとした小説を読んでいるような心地ですね。いやぁ、世の中には色んな人がいるもんだ。今回は、途中からコロナの影響も色濃く、あぁそうだったなぁと思うところも多かった。風間勇人さんの装画やイラストのワンコのユル~い表情が味わいがあって楽しい。2022/04/06
sayuri
74
『犬棒日記』に続く第二弾。本作でも作者のモニタリングぶりに唸らされる。駅周辺、外食先、スーパー、公園、電車内、空港、様々な場所で見掛けた人達の身なりや言動から、その人達の背景まで想像を張り巡らせていく。私も不審な人物を見掛けた時は、しばし見つめてしまうけれど、自分の想像を遥か超えた先まで推理していくさまは小説家ならではか。ショートショートになりそうなイヤミス風エッセイもありその観察眼と推理力に脱帽。コロナ禍が反映されている事もあってギスギスしている人達が多いが、こんな時こそ温かい光景に出くわしたいものだ。2022/03/07
ででんでん
71
前作とほぼ同様の視点からの作品だが、コロナ禍という社会状況が加わって、よりヒリヒリとしたものになっているように思った。それにしても、都会にいたら、日常的にこんな光景に遭遇するものなのか…そこはやはり乃南さんの観察力あってこそなのだろう、そして何と言っても遭遇力(こんな言葉あるのか)も!2022/04/19