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出版社内容情報
白石雅彦[シライシ マサヒコ]
著・文・その他
内容説明
大成功を収めた「ウルトラマン」から半年を経た1967年10月1日、待望の「ウルトラセブン」がテレビに姿を現した。子供達は大喝采で迎え、金城哲夫をはじめとする若きスタッフも自信満々であった。しかし一人の人物が、作品の先行きに危惧を抱いていた…。前作2冊でファンの度肝を抜いた著者が、ついにシリーズ最高の人気作に挑むドキュメンタリー第3弾。豊富な一次資料を駆使し、同時代の視点で、制作過程を再構築する。かくてウルトラセブンは朝焼けの空へ飛び去った。
目次
『ウルトラセブン』放送リスト
各局視聴率の変遷
第1部 レッドマン再び(ウルトラマン第三クール;宇宙ブーム ほか)
第2部 セブン飛び立つ(『ウルトラセブン』クランクイン;満田組始動 ほか)
第3部 下がり続ける視聴率(一九六八年一月;下がり始めた視聴率 ほか)
第4部 ウルトラセブンの帰還(映像化されなかった脚本;飯島組始動! ほか)
参考資料
著者等紹介
白石雅彦[シライシマサヒコ]
1961年秋田県生まれ。映画研究家、脚本家、映画監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
87
『ウルトラQの誕生』『ウルトラマンの飛翔』から続く三部作完結編。今でこそウルトラシリーズの傑作と認められているセブン、しかし、放映当時は制作側と視聴者側の求める物が空回りし、回を重ねるごとに視聴率は低下して行った。本書は新たに発見されたウルトラセブン撮影日誌を初め、メモやインタビュー、映像化されなかった準備稿など膨大な資料を元に、制作側の思惑や苦悩、セブンにかける想いを推理し、明らかにしていく著者渾身のドキュメンタリー。なぜセブンの世界観はあんなにもウルトラマンと違うのか、その答えがここに有りました。2018/01/22
へくとぱすかる
72
「ウルトラマン」よりもSF的な雰囲気が進み、大人の視聴に耐える作品を目指したスタッフ。しかしテレビを熱心に見ていたのは、怪獣に期待していた小学生たちであった。そのすれ違いに気づかなかったことが、スタッフの焦りや迷走となっていく。ひとつの番組を制作する裏で、アイディアや脚本が、没になったり復活を繰り返していく半世紀前の動きが、証言や日記・メモから再現されていく。それが非常にリアルに書かれ、時間を跳び越えるような感覚がある。特撮にお金がかけられなくなっていく後半は痛々しいが、最終回までの奮闘には拍手したい。2020/03/06
Willie the Wildcat
64
拘りの代償と”連続性”、故の生みの苦しみ。暗中模索の中、原点回帰した最終回。ノートやメモに切迫感も滲む。ストーリー性重視の構成は現代故に理解度を得るも、”エレキングの角”のエピソードが物語るニーズ理解の難しさ。とはいえ平均視聴率、26.5%!予算でぶれた軸だが、人気はぶれない。未映像化脚本の件は、興味深い。因みに、セブンは2番目のお気に入り。以前コメントしていますが、一番好きなのはコスモス!中でも、セブンと同じ”ストーリー”が売りのルナモード。なお、多彩な脚注がセブン及び時代背景への理解を深めます。2018/07/16
keroppi
59
なぜタイトルが「帰還」なのだろうと思っていた。「ウルトラQ」の「誕生」や「ウルトラマン」の「飛翔」は、そのまま理解出来たのだが。読んでみて、時代の流れや視聴率の降下、撮影現場の疲弊により、文字通り疲弊したセブンは、故郷のM78星雲へと「帰還」する。「ウルトラセブン」のその時を描写した力作である。当事者たちの苦しみが、全編からにじみ出てきて、読んでいて苦しくなる所もあった。しかし、再放送が繰り返される中、評価は高まり、ウルトラの傑作として「セブン」はファンの元へ「帰還」する。私は、放送当時から熱狂していた。2018/03/21
ヒデキ
48
ウルトラセブンの一年間の死闘が、時系列で一時資料中心に語られています。 今は、初期シリーズで一番好きな本作ですが、本放送時、見ていた覚えはあっても、あまり印象に残っていませんでした。 それが、再放送ではまった経緯があり、 「なんでかな?」と思っていた部分をうまく説明して貰った気分になりました。 2022/07/28