43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層

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  • サイズ B6判/ページ数 291p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575313239
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報



石井光太[イシイ コウタ]
著・文・その他

内容説明

二〇一五年二月二十日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で十三歳の少年の全裸遺体が発見された。事件から一週間、逮捕されたのは十七歳と十八歳の未成年三人。彼らがたった1時間のうちに、カッターの刃が折れてもなお少年を切り付け負わせた傷は、全身43カ所に及ぶ。そこにあったあまりに理不尽な殺意、そして逡巡。立ち止まることもできずに少年たちはなぜ地獄へと向かったのだろうか。インターネットを中心に巻き起こった「犯人捜し」の狂騒。河川敷を訪れた1万人近くの献花の人々の「善意」。同じグループで「居場所」を共有していた友人たちの証言。遺族の「涸れることのない涙」―浮かび上がる慟哭の瞬間。

目次

第1章 惨殺(邂逅;亀裂 ほか)
第2章 家族(家族の誕生;西ノ島 ほか)
第3章 逮捕(遺体発見;さまよう ほか)
第4章 犯人(裁判;虎男の生い立ち ほか)
第5章 遺族(インタビュー;家族のひずみ ほか)

著者等紹介

石井光太[イシイコウタ]
1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動をおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

修一朗

192
事件発生当時,事件現場の目と鼻の先に勤めていた。多摩川の河川敷の現場が窓越しに見え,毎日のように訪れていた場所だ。連中がつるんでいたたまり場もよく知った場所ばかりだ。隠岐西ノ島から川崎に移ってきた遼太の経緯や川崎で居場所を失っていった事情がなんとも衝撃的。どれか一つでも遼太の身に降りかからなければ彼は死ななかった。児相認定の虐待が離婚の原因でそのために遼太が島を離れることになったのだから母親側にも事情があったはずだ。父親が携帯を遼太に与えたからではなく。母親側からの情報が全くなかったのは残念。2021/03/06

モルク

123
6年前の2月多摩川河川敷で43ヶ所をカッターで切りつけられさらに裸で川を泳がされて殺されたカミソンこと上村遼太君の事件を追ったノンフィクション。事件から1週間後未成年の3人が逮捕される。少年法に守られた3人の自己保身の言い分には虫酸が走る。両親の離婚で隠岐西ノ島から越してきた遼太。もし西ノ島にいたなら…。勿論遼太も窃盗や深夜徘徊等肯定できない行為もあるが、なぜ加害少年と親交をもち暴力を振るわれても一緒にいたのか本書でよくわかる。家庭環境により居場所を外に求めた遼太、西ノ島に残ったの父の慟哭が理解できる。2021/05/18

fwhd8325

93
石井光太さんだから読みたいとも、ダメージが強くて読みたくないとも思います。この事件が報道されたとき、かなりの衝撃だったけど、見えなかったのが、被害者の少年の背景です。石井さんの著書は、そうした疑問を明らかにしてくれました。そして、思った通りダメージは強いです。加害者たちの心理は全くわからない。現実の世界をバーチャルな世界と錯覚しているようにしか思えない行動、言動にはうんざり。そして、彼らは時間が経てば、社会復帰するのだ。2018/04/14

どんぐり

92
多摩川の河川敷で惨殺された「川崎市中1男子生徒殺害事件」のルポ。少年はなぜ殺されてしまったのか。少年はなぜ加害少年の遊び仲間となり暴力をふるわれながらも一緒にいたのか。家族や学校、地域社会はなぜそれを止めることができなかったのか。被害者と家族、加害者と家族、それぞれを取材するなかで事件の闇に迫っていく。家に居場所を失い、夜の町を流浪する少年たちがつくり上げた「疑似家族」の言葉が、重くのしかかる。2021/07/01

読特

88
事件発生は2015年2月。まもなく5年を迎える。この本の発売も2017年12月。2年が経つ。 事件を知ろうとするには、少し遅すぎたかもしれない。それでも知ってよかった。 殺害現場である河川敷に供えられた大量の花束。いつの間にか設置された焼香台。大学ノートに書き残される慟哭。 「運が悪かった」実父の言葉は何故か説得力がある。 できることはあった。しかし、できないのが現実だった。 運命であったのかもしれない。 でも、現実は変えられる。もっと多くの人が問題を考えれば。2019/12/02

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