出版社内容情報
町田 康[マチダ コウ]
著・文・その他
内容説明
『バイ貝』から続く、現代に生きる私たちが直面する“お金”との闘いの記録。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。97年『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞する。2000年「きれぎれ」で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。小説・随筆・詩集など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
120
町田康は、マイブームの作家です。タイトルと表紙から歴史小説だと思って読み始めたのですが、全く違いました。著者の「リフォームの爆発」に近いテイストの小説でした。三波春夫へのオマージュでもあります。珍妙な峠というパラレル・ワールドにおける不条理劇、私は楽しめましたが、町田康ファン以外には結して、オススメしません(笑)2016/12/09
ペグ
74
随分続けて町田さんを読み続けて。だからって訳ではないけれど、改めて自問。日常の些末な事から、妄想噴出、考えて考えて頭脳爆発!頭のおかしい人みたいになってる。そこが哀しくて可笑しい。賞レースに右往左往して「なんの根拠に基づくのかわからない権威を盲信して自身のアンテナを腐らせている」挙句、「言いっちまった悲しみに、今日も罵倒の降り掛かる。なんてね」と自虐する。大勢の人達が常識とか人気に疑問も持たない世の中に対して?を持ち続ける。独特な文体と共に惹きつけられて、わたし36作品、読了。2019/03/08
そうたそ
40
★★☆☆☆ とりあえず文章を楽しむべしな作品だと思う。読み始めた当初はエッセイ風な小説?かとも思って読んだが、中盤からの展開にはついていけず。ただ文章ひとつひとつを追うだけでも面白いのもまた事実。この独特のユーモア含んだ文体読めるだけでも、やっぱり町田康いいよね、という感じなんだけれども、町田康が好きな人しか手に取らないような作品であるのは間違いないだろう、きっと。2017/07/14
さっとる◎
39
いつまでも城に辿り着けずもにゃもにゃやってるKのことをとっちらかった頭で考えて、はは、おもろとか笑う私は対岸の火事を笑うを地で行く阿呆な某。なんせ私は年の瀬のもんのすごい濁流に流されてここにいるからね。ここ、即ち、珍妙な峠。峠をさ迷う者、たぶんそれ全てのあなた、そして全ての私。って思うのは峠を歩き続ける者にしかない感覚なのかな、私はフェラーリで舗装された国道をスイスイ走っておます、なんてお方には無縁の意識なのかな。無塩の(高い)バターで焼いたパンが幸福の匂いを無援の私の鼻腔に無遠慮に届かしめて。南無南無。2019/09/13
よこたん
36
“暮れに峠道に差し掛かり、春が来たかと思ったら、暑い夏になり、その夏もそろそろ終わるというのにまだ峠道を歩いている。いったいどれほど巨きな峠なのだろうか。” まさに珍妙な世界での自意識丸出しの独り語り。越えようとしてる割には、宿に逗留したり物件探して家を買ったり。ギター、炊飯器に羽釜、ホームベーカリー、家…ホームパーティをやりたいという願望から派生する買い物は、一瞬の満足からことごとく失意のどん底へとを繰り返す。無茶苦茶なようでも莫迦だなあと言い切れない。私もまた、この珍妙な峠の道半ばにいるからだろうか。2017/01/05
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