内容説明
幻の名著、大幅加筆で完全復活!臨場感溢れる精密CGイラスト、追加調査によって判明した新情報など、紫電改と三四三空のすべてを網羅する決定版。
目次
第1部 剣部隊「紫電改」の登場
第2部 特攻隊突撃路啓開
第3部 B‐29「超・空の要塞」との戦い―一九四五年四~五月
第4部 奔命の日々―一九四五年五月(大村)
第5部 米陸軍・海軍・海兵隊戦闘機隊と戦う―一九四五年五月下旬~七月上旬(大村)
第6部 空中指揮官還らず―一九四五年夏(大村)
第7部 戦いの跡
著者等紹介
高木晃治[タカキコウジ]
昭和8(1933)年、大分県佐伯市生れ。昭和21年大分県立佐伯中(旧制)入学後学制改革を経て佐伯鶴城高校卒。昭和32年京都大(経)卒後繊維商社、合成繊維メーカー帝人と同グループ企業に勤務、帝人商事(株)社長・会長、平成9年退任。ヘンリー境田と組み本土防空戦の調査・翻訳を行ないつつ著作を刊行
ヘンリー境田[ヘンリーサカイダ]
1951年米国カリフォルニア州ロサンジェルス生れ、日系三世。13歳のときから日本陸海軍戦闘機パイロットの戦跡調査を始める。サンノゼ州立大学で広告学学位取得卒業。1985年、零戦の多数機撃墜者として著名な坂井三郎のグラフィック伝記“Winged Samurai”(直訳:有翼のサムライ)を第一作とし、引きつづき著作を米英で発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
17
豊の国宇佐市塾が343空が戦い惨敗を喫した昭和20年5月4日の喜界島制空戦の映像を公開したので早速見てみたが、説明通りであれば本書329頁から綴られる一連の空戦の貴重な映像であり大変感慨深い。勝者である米機動部隊のグラマンF6Fのガンカメラであり、互いに旋回する中で我が紫電改の後方に付き命中弾を与え墜落と思しき状態に至らしめる恐るべき手並みには戦慄を禁じ得ない。未公開の膨大な対日戦映像から歴史の真実に肉付けがされる一例であり今後も増えていくだろう。艶のある緑に鮮やかな日の丸を輝かせる紫電改の生きた姿はそれ2017/05/01
roatsu
5
日米の記録確認と存命当事者への取材、それらの検証から導かれる飛躍のない合理的な解釈等で、今日わかる限りでありありと再現された海軍第343航空隊と局地戦闘機・紫電改の奮戦の実相。増補改訂ということで本当にこれが決定版と言えると思う。戦史を見る上で、偏りのない第三者による誠実で客観的な検証が当事者が残す記録と並んでどれほど大切か、ということも感じさせる一冊。紫電改にまつわる身びいきの伝説の類を一掃し、厳しく辛いけど知らなければならない史実を伝えてくれます。2014/09/06