清張とその時代

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575301823
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

いまなお多くの読者を魅了する巨匠・松本清張氏の初の本格評伝。清張氏の書き残した作品から清張文学の源流をさぐる。少年清張は、いかにして巨匠となったのか。清張を語ることは、戦後の日本文学を語ることになる。

内容説明

清張研究の第一人者による、初の本格評伝。文学に挑み続けた作家の正体が今、明らかになる。

目次

父の山河
海峡の灯
流転の川
彷徨の春
凍天の星
風塵の坂
鵲の距離
泥砂の花
冬の夕立
夜明けの靄
怒濤の時
霧と砂
山嶺の風
遥かな旅

著者等紹介

郷原宏[ゴウハラヒロシ]
1942年島根県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。詩人、文芸評論家。74年、詩集『カナンまで』でH氏賞受賞。83年、評論『詩人の妻―高村智恵子ノート』でサントリー学芸賞受賞。2006年、『松本清張事典決定版』で日本推理作家協会賞(評論部門)を受賞。松本清張の研究をはじめ、国内外のミステリー評論を多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

14
本書は巨大な松本清張の、とくに作家デビューするまでの約40年について、丹念に取材を行い執筆しておりたいへん読ませる。封建的な時代と貧しい家族に縛られた前半生を送り、WW2で軍隊に召集されて清張が束の間の自由を感じ得たことを指摘する点は印象的。また、1953年に芥川賞を受賞して以後、歴史小説、社会派推理小説、社会派ノンフィクション、古代史研究へと執筆の幅を大きく広げていったことをきちんと整理し、1950年代の出版社系週刊誌ブームに乗って書きまくり、大人気作家となっていく彼の姿を先行研究も交えて考察している。2019/11/05

ぐうぐう

9
後半、駆け足になったのは残念だが、清張評伝の決定版と言える労作だ。推理小説を文学に高めようとする目的で、犯罪の動機に重点を置いた結果、社会派と呼ばれることとなる清張の小説は、しかし、清張自身が芥川賞作家であることを考えると、とても合点がいく。長い極貧の生活と、そして小説に対するチャレンジ精神が、異常な執筆量を育み、その膨大な作品群が松本清張を巨人へと仕立て上げていく。疑うべくもなく、類い稀なる作家だ。2010/08/09

go

4
作家になる前に苦労したとは知っていたが予想以上だった。毎日夜中近くまで働いて、それでも貧しく、狭い家で親との関係も苦しそうだ。結婚してからも家計を支えるプレッシャーに耐え続け、戦争で徴兵までされてしまう。作家になって10年の間に大量の傑作を書いたのは、相当エネルギーが溜まってたんだろうなと思った。2016/07/11

Gen Kato

1
前半評伝、後半年表という感じ。清張作品、またいろいろ読み返したくなりました。2016/01/01

Genei-John

1
貧困時代の蓄積を作品からあぶり出し、大変興味深い。清張だけでなく、同様の手法をほかの作家(例えば横溝正史)に適用した評伝を読んでみたい。2013/02/02

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