出版社内容情報
かつて喫茶店で働いていた鳴海は、菓子メーカーの創業一家・南雲家から子守役として雇われる。そこで出会ったのは、気難しい少年の栄輝と、美しい年上の奥様・彌栄子だった。次第に心を通わせていく三人だったが、ある出来事をきっかけに、彌栄子から「二度と会わない」と鳴海は突き放され、関係が途絶えてしまう。
それから二十年。大人になった栄輝から、ある日突然「母がそちらに行っていませんか」と電話が掛かってきて……。
きっと、ページをめくるたび、あなたは力を取り戻していく。
傷も時間も刻んだ体で、どこまでも自由に踊り出すための物語。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
38
タイトルからは想像つかない物語。過ごしてきた環境が全く違う鳴海と彌栄子。だからこそ共鳴したり、理解しようと距離を縮めたりしたのだろうか。彌栄子の息子の子守として経歴を偽りながら働く鳴海。多動的な栄輝に子供だからではなく、一人の人間として接するうちに次第に3人の関係が築かれていく。彌栄子にとっての鳴海の存在は唯一無二であり、彼女のこれまでの常識や生き方を大きく変えていく。そんな2人が離れ、再会するまでが淡々と描かれるが、そこは寺地作品、ググッと胸に刻んでくる。引き出しが広いなあ。#Netgalley 2026/02/03
葵
31
立場や育ちが違っても、わかりあえる存在ってあるだろうなと思う。 経歴を偽り、いわゆるお金持ち家庭の子守りにおさまった主人公と、その依頼主との関係。 かけ離れた境遇の二人だが、惹かれ合うものがたしかにあった。 「ぬすびと」という題名から、なにか不穏な話かと思い読んでいたら 思いの外あたたかい話だった。 #NetGalley.jp2026/02/14
もぐもぐ
29
不穏なタイトルにちょっと身構えましたが、20年の時を経た優しい物語でした。喫茶店で働く鳴海は、経歴を偽ってお金持ちの社長宅で子守りとして働き始め、そこで自分の立場に縛られて生きる母親・彌栄子と出会い、次第に二人の友情が深まっていくが、、、「ぬすびと」という言葉の意味が様々な形で描かれ、最後は寺地さんらしい温かい終わり方でした。「やったことがないのとできないのは違う」ってほんとそうですね。 #NetGalleyJP2026/03/18
nyanco
23
物語は唐突に始まる。状況説明などなくとも、ぐっと世界に引き込む力があるのが寺地さん。 パートで働く40代の女性・鳴海の元にかかってきた電話 「母がそちらに行っていませんか」20年前に縁を切られた相手からだった。 20年前、5歳の時に面倒をみていた少年・栄輝は、老舗の跡取として生まれたが手のかかる子で、今まで子守何人もが辞めてしまったという。 履歴書を偽装し、向かった面接の場、泣き喚く栄輝の心を掴んだ鳴海は、シッターとして働くことになる。 高齢の母・彌栄子は、弱く、自信がない。→続 2026/02/03
ぶんぶん
4
ひょんなことから気難しい子どもの子守役として菓子メーカーのオーナー家の南雲家へ呼ばれた鳴海。そして時は流れ決別したはずの南雲家とまた関わりが… 「ぬすびと」というタイトルから想像されるものとはまた違った話の内容。とはいえ「ぬすびと」というのがキーワードであることもまた事実。鳴海、栄輝にとっての「ぬすびと」という意味は…。 いろいろと感じるところはありましたが、今の自分の精神状態にはあまりそぐわず…というところでした。2026/03/01




