出版社内容情報
老齢の両親の介護をきっかけに微妙になっていた夫婦の関係を修復しようとしていた絵里だったが、話し合いの場で夫の伸朗から突如、「ほかに好きな人ができた。別れたい」といわれてしまう。子宝には恵まれなかったものの仲良く暮らしていたと思っていた絵理はショックを受けるが、実は伸朗には妻にも言えないある秘密を抱えていた。傷ついた女性が「奇妙な同居生活」を通して再生し、そして自立していく姿を描く長編小説。
【目次】
内容説明
老齢の両親の介護をきっかけに微妙になっていた夫婦の関係を修復しようとしていた絵里だったが、話し合いの場で夫の伸朗から突如、「ほかに好きな人ができた。別れたい」と告げられてしまう。子供はできなかったものの、夫婦仲は円満だと思っていた絵里はショックを受けるが、実は伸朗には妻にも言えない、ある秘密を抱えていた。夫の素顔、自身に降りかかる災難の連鎖―絵里はひょんなことから夫の不倫相手と同居することになるが…。
著者等紹介
谷ユカリ[タニユカリ]
東京都出身。成蹊大学文学部卒業。2023年「いつか見た瑠璃色」で第四十五回小説推理新人賞を受賞した。本作がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蒼
25
何やら不穏な物語の始まりに、読み手の心をかき乱したままあれよあれよという展開にはぁ〜?と空いた口が塞がらない思いで読み進めれば、ソウルメイトと言えるような人間関係を築ける海男こと宙夢(ひろむ)とサンちゃんとの共同生活の中で、赦し理解し苦しさから自分を掬い上げる力を得て行く。上手く行きすぎな気がしないでもないけど、ロムさんと伸、サンちゃんたちと同じ苦しさを背負う人達に何がしかの力になったら良いと、部外者のほぼ無責任な思いでページを閉じた。2025/11/08
りらこ
21
自分だったら・・・。 常にこの問いを抱きながら読み進めていた。 とつぜん「離婚したい」と言われたら。それも相手がいるらしい。 平常心ではいられない、たくさんの疑問符とマイナスの感情でいっぱいになる頭。 ここから物語は、思わぬ方向へと進んでいく。 そして始まる不思議な同居生活。 逡巡と、後悔と、受容。 理解と納得、そして前進。 これらを怒涛のように経験し、そしてまた前へ進んでいける主人公は、しなやかで、強い。 彼女に出会えたことは、自分にとっても様々な感情への視点を開いてくれる。 2025/10/03
📖®書店員🍵
7
とてつもなく素晴らしい作品に巡り会えた。 切ない、苦しい、辛い、でも温かい。 パンケーキのように柔らかく、オムライスのようにふんわりと包み寄り添い手を引いてくれる…そんな優しい物語。 2025/07/28
You
4
男に心変わりされた女の心身の混乱と悲痛の表現が真に迫った一章は何らかの傷が抉られた笑 以降も、人と人との間で軌道を変えていく心情や環境の動きが駆け足になることなく丁寧に描かれ、加えて住まいを軸に置いた洗練と温もりの共存した空気を描き出すのも上手く、いい筆を持った人だなと思ったけど、要所要所で登場人物というより作者の願いやろなあ…と創造主の影がちらつく思いの丈にそぞろになった。そして、どんだけ大らかで知的で理性的で善良な人物として描きこまれても、(でもこいつ不倫略奪したんよな…)と思うとその都度醒めた🤣2025/12/15
ぶんぶん
4
谷ユカリさんは初読み作家さんでしたね。 帯にあるように「夫の不倫相手の家で同居」ということだけど、夫が実はゲイだったということから始まる夫婦の新しい一歩。 こんな展開は想像してなかったので割と動揺したまま話が進みでもラストでは双方とも新たな道に踏み出してる。この後がどうなっていくのかは分からないけど自分の選択を後悔しなければ良いのではないかなと。2025/09/27
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