出版社内容情報
〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
【目次】
内容説明
稀代の悪女・間宵己代子は寄生虫のような極悪人。宿主の体や心を思いのまま操り、支配する。「生きることこそわが宿業」著者最恐の書き下ろしホラー・ミステリー!
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年生まれ。東京農工大学農学部卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年『葉桜の季節に君を想うということ』で「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」共に第一位、04年第57回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第四回本格ミステリ大賞を受賞。10年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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aquamarine
50
「間宵の母」の続編。完全に続きでネタバレしているので前作を読む予定があるならば読んでからをお勧めする。前作はホラーミステリに分類されてもホラーの割合がかなり高かったが、こちらは設定がホラーなのに、ハードボイルドバディものを彷彿とさせるのが面白い。ところどころでゾクっとしながらも、二人のコメディのような掛け合いを楽しみ、さらに負の連鎖で家庭に恵まれなかった主人公・蒼空の変化と感情に引っ張られながら一気に読んだ。最後まで一筋縄ではいかないところが歌野さんらしい。好みはありそうだが、私は好き。続編があるかな?2025/08/10
pen
24
「間宵の母」から6年を経ての続編。前作に比べるとホラー色薄まり感が。薄まった要因は取りついた己代子と取りつかれた蒼空の「相棒」並みの一体感(笑) これは笑えました。歌野さんらしい捻りもあり、今回はオドオドすることなく読了。でも歌野さんの王道ミステリーが待ち遠しい。2025/08/11
練りようかん
10
『間宵の母』続編。若い男性に寄生して半年、完全に乗っ取ることが出来ず日常面のダッグや次のターゲットを狙うやり取りは、バディもののようなコミカルさが漂い相性良し。宿主替えに失敗し、ルールがわからぬ謎と有力寄生候補に感じたパパ活女子が展開上どう化けるのかが気になった。追い詰められる男性、今こそ間宵の知恵よと思うのに得意分野でしか発揮できず皆がウィンウィンになる計画に期待。一人の人間が寄生する/されているという前後関係の動きが興味深く、そこの活用が上手かった。予想とは違い後味は悪くなかった。2025/08/10
8番らーめんR
8
例によって前作をすっかり忘れている。ホラーミステリの惹句に恐る恐る読みましたが、なんという事でしょう。ほぼコメディタッチのバディもの。間宵巳代子が自分の脳内に寄生したままで困った主人公がなんとか引きはがそうと策をめぐらすというストーリーがメインです。間宵の指示でクレジットカードのスキミングに手を染めたり、殺人を計画する主人公も最初は自堕落で倫理観が欠如している感じだったが、いろんな体験をしていくうちにしだいに変わってゆく過程がいい。オチも最高です。2025/08/05
ダーク
2
★★★★★★★☆☆☆2025/08/05
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