出版社内容情報
〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
【目次】
内容説明
稀代の悪女・間宵己代子は寄生虫のような極悪人。宿主の体や心を思いのまま操り、支配する。「生きることこそわが宿業」著者最恐の書き下ろしホラー・ミステリー!
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年生まれ。東京農工大学農学部卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年『葉桜の季節に君を想うということ』で「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」共に第一位、04年第57回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第四回本格ミステリ大賞を受賞。10年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
178
歌野 晶午は、新作中心に読んでいる作家です。 『間宵の母』の続編、幻想ミステリの怪作でした。 更なる続編もありそうなエピローグです。 https://www.futabasha.co.jp/book/978457524829600000002025/09/28
yukaring
77
タイトルそのままの“寄生”ホラーミステリ。前作をかなり忘れていて心配だったが人物紹介が前作のダイジェストでひと安心。メインの登場人物は栢原蒼空と間宵己代子ただ二人。細胞レベルで他人に乗り移り宿主の体や心を操る事ができる女・間宵己代子。しかし蒼空の体を操れずに頭の中で蒼空にうるさく語りかけ彼をげんなりさせる。この二人(一人?)は生きる為に連携して詐欺を行ったりともはや協力体制のバディ状態。そのうち蒼空以外の宿主を見つける事で二人の利害は一致、果たしてその結果は…。最後までツイストのきいた歌野さんらしい1冊。2025/08/15
えんちゃん
65
ひーーっさしぶりの歌野晶午さん。ホラーミステリィと聞いてましたけどじわじわ笑かして貰いました。己代子(昭和18年生まれ!)の魂が頭の中に同居してしまった青年の顛末物語。子沢山結婚離婚繰り返し男との決着が鮮やか。そうでした。これが歌野晶午さんでした。前作があるけど単体で読んで大丈夫と読友さんのお墨付きの通り、これだけで十分に楽しめました。続編永遠にいけますよね。2025/09/25
aquamarine
62
「間宵の母」の続編。完全に続きでネタバレしているので前作を読む予定があるならば読んでからをお勧めする。前作はホラーミステリに分類されてもホラーの割合がかなり高かったが、こちらは設定がホラーなのに、ハードボイルドバディものを彷彿とさせるのが面白い。ところどころでゾクっとしながらも、二人のコメディのような掛け合いを楽しみ、さらに負の連鎖で家庭に恵まれなかった主人公・蒼空の変化と感情に引っ張られながら一気に読んだ。最後まで一筋縄ではいかないところが歌野さんらしい。好みはありそうだが、私は好き。続編があるかな?2025/08/10
NADIA
61
『間宵の母』の続編ということだが、こんなに軽い感じだったけ? 間宵己代子ってこんな面白い人物だったっけ?? 十八歳の蒼空の意識の中に住み着いている八十くらいの老婆・間宵己代子。若いとは言え特に長所もない少年から、自分が自由に扱える子供に乗り移ることを企む間宵己代子と、出て行ってはもらいたいが子供を犠牲にすることには躊躇いを覚え反対する蒼空。この二人のやり取りはかなり面白い。そして迎える結末は…。そうか、歌野作品だったよ。これくらいの意外性はあるよね。内容を忘れてしまった『間宵の母』も再読しようと思う。2025/10/28




