出版社内容情報
二十九歳の凪は結婚間近だった恋人と別れて悄然としていたある日、御年七十八歳の芙蓉という美麗な女性に出会い、彼女の持ち家に引っ越して生活を共にすることに。成熟した魅力を持つ芙蓉は「ブルーバード」という結婚相談所で相談役を務めており、婚姻にまつわる様々な悩みを持つ人々の相談にのっている。他人への興味が薄く、「恋」がわからないと思い悩む凪も、芙蓉の手伝いをするうちに少しずつ変化が訪れて――。色とりどりの人間関係を描き出す中で、自分の人生に差し込む光を見つけるための物語。
内容説明
29歳の凪は、婚約者に浮気され、彼との別れを決意する。彼と住む家には帰れず途方に暮れていると、御年78歳の芙蓉という麗しい老婦人と出会い、彼女の持ち家に引っ越して生活を共にすることに。風流を愛し面倒見の良い芙蓉は「ブルーバード」という結婚相談所で相談役を務めており、結婚にまつわる様々な悩みを抱える人々の相談にのっている。幼い頃から他人への情が薄く、「恋」がわからないと思い悩んでいた凪も、芙蓉の手伝いをするうちに少しずつ考え方が変わってきて―。恋愛だけではない様々な形の絆に光をあてる人間賛歌の物語。
著者等紹介
橘もも[タチバナモモ]
1984年、愛知県生まれ。『翼をください』で第7回講談社X文庫ティーンズハート大賞に入選し、2000年に同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いっちゃん
13
読み終えてから表紙、裏表紙をみたら、和菓子を食べたくなること請け合いです。浮気、ワンストライクアウトだよなと思う。いつか許せる日は来るかもだけど。男女の関係性においてはおしまいだと思う。はじめのお話読んで、こんな策を弄する妖怪みたいな義母とうまくやれるはずないだろう。4つお話が入っていて、面白くは読みました。だけど、私とは合わないかな。2025/05/22
テリトリーM
7
婚約者に裏切られずぶ濡れだった凪に手を差し伸べて拾ってくれたのは凛とした78歳の芙蓉さんだった。彼女と共に食事をしてお茶を飲み、お手伝いをしながらゆっくり暮らしを立て直していく。「好きになることと運命の相手に出会うことは多分違う」後半は「普通の結婚」とは?「普通の家族」とは?が話の中心になってしまってちょっと残念。「相手のことをちゃんと思って心地よく過ごせるために努力する」この当たり前のことを自然にしあえるのが夫婦だと思っていた。そのバランスが崩れてしまった時、私は情なんて吹き飛んでしまった。2025/04/18
ダック
4
恋愛なんて人生のほんの一部でしかないのに、若い頃はどうしてあんなにも一喜一憂していたんだろう。人によってはいくつになっても恋愛なしには生きていけない人もいて、それぞれだよなぁと思う。この本のタイトルどおり、恋じゃなくても誰かを大切に思い信頼関係を築いていけたらいい。2025/02/10
ムートン
3
期待以上だった。そもそも結婚と恋愛が別物だった時代、恋愛結婚の時代、そして今は、多くの人にとって、恋愛も結婚もよくわからない時代になっているのかもしれない。続編がでれば、読みたいと思う。 2025/03/23
あるぱか
3
ひょんなことから婚活で悩む人たちのあれこれに関わることになった主人公のお話。和菓子屋さんや睡蓮などでてくるお店がとても居心地が良さそうでおとずれたいなぁと思いました。和菓子屋さんとの関係も個人的にはとても憧れます。友情と恋愛とかわざわざラベリングする必要はないこともあると思います。2025/02/24
-
- 和書
- 親バカ日誌 白泉社文庫