上海灯蛾

個数:
電子版価格
¥2,200
  • 電子版あり

上海灯蛾

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年12月08日 11時53分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 544p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575246025
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。彼の許を謎めいた日本人女性が訪ねる。ユキヱと名乗るその女が持ちこんだのは、熱河省産の極上の阿片と芥子の種。次郎は阿片の売買を通じて上海の裏社会を支配する青幇の知己を得て、上海の裏社会に深く踏み入っていく。栄光か。破滅か。夜に生きる男たちを描いた、上海ピカレスク。

内容説明

一九三四年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇るこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。租界で商売をする彼のもとへ、原田ユキヱと名乗る謎めいた女から極上の阿片と芥子の種が持ち込まれる。次郎は上海の裏社会を支配する青幇の一員・楊直に渡りをつけるが、これをきっかけに、阿片ビジネスへ引き摺り込まれてしまう。やがて、上海では第二次上海事変が勃発。関東軍と青幇との間で、阿片をめぐって暗闘が繰り広げられる。満州から新品種を持ち出されたことを嗅ぎつけた関東軍は、盗まれた阿片と芥子の種の行方を執拗に追う。一方、次郎と楊直はビルマの山中で阿片芥子の栽培をスタートさせ、インドシナ半島とその周辺でのモルヒネとヘロインの流通を目論む。軍靴の響き絶えない大陸において、阿片売買による莫大な富と帝国の栄耀に群がり、灯火に惹き寄せられる蛾のように熱狂し、燃え尽きていった男たちの物語。

著者等紹介

上田早夕里[ウエダサユリ]
兵庫県出身。2003年『火星ダーク・バラード』で第四回小松左京賞を受賞し、デビュー。2011年『華竜の宮』で第三二回日本SF大賞を受賞する。SF以外のジャンルも旺盛に執筆し、18年『破滅の王』で第一五九回直木賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

158
金と暴力と謀略にまみれた戦前の上海は、冒険小説にとって最高の舞台となる。高品質アヘンを巡る秘密結社青幇と陸軍特務機関の争いに巻き込まれた2人の日本人が、片や自由を愛し片や日本人として認められたくて、互いに友情を感じながら敵対していくドラマが強烈だ。日中双方とも目的のためなら手段を選ばず、殺し殺されで死体を積み重ねていく。欲望のため罠にかけたり殺し合いながら、それぞれの譲れない意思に殉じる結末は美しさすら感じる。法や制度や権力に従わず、自らの正しさを信じて思うがままに生きたアウトローたちの群像劇を堪能した。2023/04/27

モルク

132
1930年代貧しい農村から上海に移り雑貨屋をしている次郎。謎の女ユキエから預かった阿片は最高級品だった。中国マフィアと結びつきそこの実力者楊直と義兄弟の契りを結ぶことによって次第に渦に巻き込まれていく。阿片「最」の栽培で巨額な富を得るが…。権力争い、日本陸軍との攻防など残虐なシーンも多い。そしてロシア人の母を持つ青年伊沢。その血を払拭するようにより日本人らしくなりたいという思いが負の方向に向かう姿は不憫だ。中国名などの読みにくさは最初だけ、後はのめりこんだ。誰に媚びることなく己の願望に生きた男次郎が逞しい2024/03/19

のぶ

106
壮絶な生き方をした人たちの物語だった。始まりは1934年上海。主人公の吾郷次郎のもとへ、原田ユキヱと名乗る謎めいた女から極上の阿片と芥子の種が持ち込まれる。次郎は上海の裏社会を支配する青幇の一員・楊直に渡りをつけるが、これをきっかけに、阿片ビジネスへ引き摺り込まれてしまう。やがて、上海では第二次上海事変が勃発。関東軍と青幇との間で、阿片をめぐって暗闘が繰り広げられる。時代と状況に翻弄される次郎の姿が長い話の中でよく描かれている。和製ウィンズロウとも例える事ができる麻薬を扱った作品だった。タイトルが絶妙。2023/04/19

aki☆

89
1934年、日本人女性ユキヱによって極上の阿片が上海に持ち込まれる。阿片密売は裏社会を潤し、陰謀、裏切り、復讐を生み、やがて日本の特務機関との抗争へと発展。日本を捨て家族を捨て金と自由を求め上海へ渡った次郎と、家族の幸せのため仕事を選ばず裏社会で生きてきた楊直。違う人種の二人が阿片密売で繋がり、関係を深め共に闘い迎えた結末は予想外だった。序章の真相に思わず涙が。次郎の誇りとユキヱの強さが印象的。史実と実名を織り交ぜ阿片に翻弄された者たちを描いた残酷で切なくて胸が熱くなる一冊。読み応えがあり面白かった。2023/11/09

たま

79
日中戦争を背景に関東軍と上海の闇組織・青幇の阿片抗争を描く。関東軍(つまり日本)の阿片ビジネスに興味があって読みはじめ、初めは物語に入りこむのが難しかったが、青幇の側に一枚噛んでいる次郎のジャズ好きの描写あたりから面白くなり、納得行かない点(ユキヱの去就とか)や人命の軽さに途惑いつつも、引き込まれて読んだ。作者の意図としては日本人の枠に縛られない生き方を望む次郎と日本人として関東軍で認められたい伊沢穣の対比が読みどころだったのかも知れないが、闇社会の中国人も含め、正直、人間関係は分からない点も多かった。2023/08/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20539258
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。