出版社内容情報
元教師のライター・筒見芳晃は十歳年下の可愛い妻・絵梨、年頃の愛娘・沙梨奈と何不自由のない暮らしを営んでいた。だが、穏やかな日々は突如一変する。勤め先から妻が帰ってこない。携帯電話も不通。不吉な予感に駆られて交番を訪ねた芳晃は、驚天動地の事実を告げられる。しかしそれは、やがて始まる忌まわしい悪夢の幕開けに過ぎなかった!! 衝撃ミステリー『極刑』で鮮烈デビューを飾った新鋭・小倉日向が放つ、業と毒の問題作。
内容説明
元教師のライター・筒見芳晃は十歳年下の可愛い妻・絵梨、年頃の愛娘・沙梨奈と何不自由のない暮らしを営んでいた。だが、穏やかな日々は突如一変する。勤め先から妻が帰ってこない。携帯電話も不通。不吉な予感に駆られて交番を訪ねた芳晃は、驚天動地の事実を告げられる。しかしそれは、やがて始まる忌まわしい悪夢の幕開けに過ぎなかった!!
著者等紹介
小倉日向[オグラヒナタ]
1964年、新潟県生まれ。上越教育大学大学院修了。地元での公務員生活を経て、2020年、『極刑』(双葉社刊)にて作家デビューを飾る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
97
妻、中1の娘と暮らす元教師で教育関係の本を書いている主人公筒見。ある日突然妻が逮捕され、釈放を待って警察に行くと全くの別人。妻はどこかに連れ去られ、妻を取り戻すために筒見に条件が課される。性被害をテーマとし、弱い立場故に自分が不利益となったり性被害を公にされたくないために相手を訴えられず心の傷だけが深く残る。事件にならないことをいいことに再犯を繰り返す輩が腹立たしい。だからと言って私刑を下していいものか。終盤の復讐劇では私刑は…と言っていた自分が、もっとやれ~と応援していた。「極刑」もこんな感じなのかな。2023/07/12
ma-bo
87
プロローグからいきなり性的な描写。覚悟して読まないといけない?第一章が始まると妻が勤め先から帰らないと思ったら逮捕されたとの電話が。それなのに夫も娘もそんな冷静にいられるの?導入部(起)と、話の流れ(承)の雰囲気のギャップにビックリ😅性犯罪被害がテーマ。ツッコミどころはたくさんありますが最後まで読みきれました。まだ2作目の作品。デビュー作も犯罪被害者の話だったな。2022/10/26
sayuri
75
「覚悟がある人だけ読んで下さい」の帯に好奇心をそそられ手に取る。勤め先から帰らない妻、携帯電話は不通。主人公・元教師で現ライター・筒見芳晃の不安な気持ちが伝染し、一体この家族に何が起きているのか気になり冒頭から心を鷲掴みにされる。警察署員や弁護士との嚙み合わない会話に不穏さは更に増大。前半はミステリ色が強いが徐々に性犯罪被害者VS加害者の復讐劇へと展開していく。あまりにも胸糞悪い犯罪内容と反省のない加害者に嫌悪感で一杯。被害者の心と身体に残る傷は一生消えない。因果応報とも思える衝撃的な結末は戦慄のち痛快。2022/09/26
そら
71
プロローグは女子高生が部活の顧問に校内で性行為を強要されているシーンから始まる。うえっ!と思いつつ、一転、本章が始まる。女子中学生を娘に持つ夫婦に訪れたのは、妻が逮捕されたという警察からの一報。理由は書かれておらず、しかも逮捕された妻は全くの別人だったという謎が謎を呼ぶスタートダッシュのミステリー劇。警察、弁護士も当てにならず、何故か妻を返して欲しければある性被害事件の執筆をしろと脅迫され、一体この事件の真相はなんなのか?が謎すぎて、速読ばりに一気読みしてしまった。事件というよりも世直し的な結末に驚き。2022/11/02
ゆのん
69
元教師で今は教育関係の執筆をしている主人公。10歳下の妻と中学生の娘を持つ一般的な男性。ある日、妻が逮捕され、その日から今までの日常とはかけ離れた悪夢がはじまる。謎が謎を呼ぶミステリーかと思いきや、テーマがとても重く、その実態を知ると恐怖や怒りを覚える。確かに多少の『覚悟』を必要とする物語となっている。2022/07/12