出版社内容情報
仲間の助けを借りた甚夜は、南雲叡善の企みを阻止して皆を救うことができた。だが、目的の一つであった鬼哭の妖刀は、混乱の最中、吉隠によって持ち去られてしまう。吉隠が密かに狙っていた鬼哭に秘められた能力、それは甚夜にとっては葛野の記憶に繋がる大切なものだった……?――大正編が大団円を迎える! 大人気和風ファンタジーシリーズ第十巻。
内容説明
和風ファンタジーシリーズ第十巻!葛野の集落に秘められた“シリーズ最大の伏線”が回収される大正編の最終巻!百年たっても忘れられない夕日に染まるあなたの姿。
著者等紹介
中西モトオ[ナカニシモトオ]
WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
70
忘れられないあの愛しい日々はソフトフォーカスで映し出された風景。懐かしい哀しみと優しい苦しみが溢れるその一瞬…時の流れに抗い、留め置いてきた記憶の邂逅に涙を抑えるなどどうしてできよう。大切な人から呼ばれる名前はなぜにこんなに切なく温かく、胸に迫るのだろう。誰かの幸せを願うその人にこそ一番幸せでいてほしいと何度も何度も繰り返し思う。たおやかな愛が本当の強さを教えてくれる、和風ファンタジー『鬼人幻燈抄』第十巻にして大正編最終章。始まりの秘密が今明かされる。人も鬼も忘れられない何かを抱き生きている姿が儚く尊い。2022/07/09
はにこ
64
野茉莉との再会は嬉しかった。記憶を失っても失ってない心があった。4代目、親孝行をありがとう。吉隠との闘い、瑠那をまた失うのかと思ったけど、刀の妻が救ってくれた。大正の短い時代を駆け抜けた芳彦、希美子、井槌、溜那が平成の世でも居てくれたことが最高だ。甚夜へのメッセージも素敵。最終決戦で皆が集うのだろうか。2023/09/19
mayu
64
シリーズ10作目。束の間の邂逅。過ぎ去った時は戻らず、失った記憶は取り戻せないけれど、愛しみ共に過ごした日々のぬくもりは、たしかに心の中に残っている。これで最後だとしても、再会を果たして、今の幸せを知り、一つの区切りがつけられたことを良かったと思う。大正の世が過ぎ去っていく。生きる時間の長さは違っても、遠く離れたとしても、ちゃんと繋がっている。会いたいと願い、変わらない場所を残そうとしてくれる人がいる。出会いと別れを繰り返し、忘れられない想いを抱いて、また新しい時代へ。2023/02/05
よこたん
50
“過ぎ去った懐かしい日々は戻らないが、それを守り続けてくれる人達がいる。それならば、あの日々は今もここにあるのだと信じられる。「ああ、大丈夫だ。繋がっているよ。今も、これからも」” シリーズ第10巻。江戸の時代から大正の世まで、鬼人の出逢いと別れ、戦いと束の間の安らぎの時を回想しながら読んだ。芽吹き花を咲かせやがて萎れ枯れゆくごとく、人の命は長くはない。それでも想いは受け継がれ、静かに生きた証を運ぶ。気がかりだったことが明かされて、かなしいのに安堵とあたたかい涙がこぼれた。次は、昭和へ。早く読みたい。2022/09/17
よっしー
33
バタバタが落ち着き、束の間の平穏な日々がやってきました。刀と共に姿を消した吉隠の企みは残っていましたが、そんな中で若者達の恋模様が微笑ましく、こんな日常が続けばよいのに…と願ってしまいました。が、そうも行かず。吉隠は襲ってくるし、甚太の義母の本音が辛い物でもあったし、溜那はピンチに陥るし…。ただ、結果としては良かったの一言につきます。そんなピンチの後の娘との一時、平吉も良いことをするじゃないかと拍手を送りたくなりました。さて、次は昭和、どんな時代の流れに乗るのか、楽しみです。2024/07/06
-
- 電子書籍
- 井手美希 miki mode miki…
-
- 電子書籍
- となりのオトナくん ベツフレプチ(6)
-
- 電子書籍
- わかさ夢MOOK130 坐骨神経痛 …
-
- 電子書籍
- 【分冊版】ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転…