出版社内容情報
湊かなえ、長岡弘樹、大倉崇裕選考委員が満場一致で推した小説推理新人賞受賞デビュー短編集。日常の謎×青春群像劇
内容説明
友情、ライバル、憧れ…人間関係の「事件」の謎を解き明かす青春ミステリー連作短篇集。第42回小説推理新人賞受賞作を含む全五篇を収録!「その意図は見えなくて」…生徒会選挙で集まった白票が意味するもの。「合っているけど、合っていない」…陸上部の部室を荒らしたのは誰?「ルビコン川を渡る」…部活の合宿で成績の悪い生徒が突然姿を消し―。「その訳を知りたい」…“それなり”に生きる私を必死にさせたのは?「真相は夕闇の中」…何者でもない僕があいつの傍にいつづける理由。
著者等紹介
藤つかさ[フジツカサ]
1992年兵庫県生まれ。2020年に「見えない意図」(単行本収録時に「その意図は見えなくて」に改題)で第42回小説推理新人賞を受賞。受賞作を含む短編集『その意図は見えなくて』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
120
★★☆ 校内で起こるちょっとした事件を解決していく青春ミステリ。トリックの構築はしっかりしてるんだけど、登場人物がみな斜に構えすぎてて苦手な作風(ラノベが苦手な理由もこれ)。生徒会選挙の白票の話は好き。2023/10/25
タイ子
101
あまり青春ミステリというものを読まないが、小説推理新人賞受賞作で長岡弘樹、湊かなえ評満場一致に惹かれ読んでみた。5つの連作短編集。高校の中で起きるいろんな出来事・謎を解き明かしていく高校生の姿が清々しい。謎を解いていく中で、彼ら(彼女ら)が誰かのために考えを巡らせ友情、絆を深めていく姿はこれぞアオハル!時折顔を出す諏訪野教諭の存在がほんわかしていていい。著者のデビュー作が本作なのでこれからの作品に期待したい。2022/07/07
aquamarine
87
高校生の日常を綴った連作ミステリ、と単純に括ってしまっては勿体ない。勿論ミステリとして楽しめるが、高校生の彼らの言動に心を鷲掴みにされる。人はどこで自分が凡人だとかそつのない人間だとか人を動かせる人間だとか気づくのだろう、そんなことも考えた。謎が解けたとき、高校生である彼らはクローズドサークルに招待された見知らぬ人々とは違うのだ。どんな真相であろうともその後の生活は同一線上を続いていく。息苦しくも熱かったリアルな高校生活が私の目の前に一気に戻った。短編一つ一つも、連作としてもとても良かった。次作も楽しみ。2022/07/13
さっこ
76
第42回小説推理新人賞受賞作。5話連作短篇集。高校を舞台に日常の謎を絡めたミステリ調の青春群像劇。子供でもなく大人でもなく不安定な心持の中、友情や確執の中でもがいている。自分は誰で何者なのか、答えの欲しい年頃なんだよね。清瀬くんのユウくんへの思いは恋なのかな?ほんわかBL漂う作品。友情であっても愛情であっても自分の大事な人を守りたいよね。「その訳をしりたい」の倉橋先生、お前はダメだ。2022/09/05
ゆのん
71
初読みの作家。高校生が主役の日常ミステリー。ミステリー自体も面白いのだが、私的には、部活に受験、学校行事と忙しい高校生達の心の複雑さがとても良かった。主要な登場人物たちもとても好感が持てる。個人的には清瀬君と、諏訪野先生が好き。2022/07/01