出版社内容情報
関大輔はお金がなかった。父親が事業に失敗し出奔。母親は一生懸命に働いてくれるが、弟妹との生活費を賄うだけでいっぱいいっぱい。とても大学に進学することなどできず、おじの伝手で東京に出ることになる。別れを惜しんだ弟妹とともに上京するが、苦労が絶えない毎日を送る。そんなある日、大輔の前に一人の男が現れる。男はベンチャーキャピタリスト。大金を扱うその男に弟子入りを志願する大輔だったが……。
内容説明
高校生の関大輔の家にはお金がなかった。父親が事業に失敗し出奔。母親は一生懸命に働いてくれるが、弟妹との生活費を賄うだけでいっぱいいっぱい。とても大学に進学することなどできず、おじの伝手で東京に出ることになる。別れを惜しんだ弟妹とともに上京するが、苦労が絶えない毎日を送る。そんなある日、大輔の前に一人の男が現れる。男はベンチャーキャピタリスト。大金を扱うその男に弟子入りを志願する大輔だったが…。
著者等紹介
浜口倫太郎[ハマグチリンタロウ]
1979年奈良県生まれ。放送作家を経て、2011年『アゲイン』で第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
106
父親が事失敗失敗し失踪、貧乏暮らしの大輔は進学は諦め弟妹の為就職するつもりだったが母の希望により進学を決意した途端。同級生の陰謀により高校を退学させられて上京し建設会社で必死に働いていた、ある日ベンチャーキャピタリスト賢飛に出会いお金を稼いで弟妹を守る為、弟子入りを志願する、胸くそ悪い上司や同級生に怒りしかない、能力があって進学したいのに出来ないというのは本当に辛い、投資とか企業とか現代はお金ガ全てなのか何が一番大切なのか大輔の成長して行く姿に目が離せなかった。2022/01/06
ゆみねこ
77
父の事業失敗と出奔、懸命に働く母は身体を壊し、陰険な同級生に暴力をふるって退学になった関大輔。双子の弟妹と共に上京し肉体労働で生計を立てる日々。ある日目の前に現れたベンチャーキャピタリストの今田賢飛。有望な起業者に融資するビジネス、お金は大事だけれどビジネスには冷徹な判断が必要。情と儲けどちらを優先させるか?お金だけが幸せではない。浜口さんの著作は読みやすいのでサラッと経済のことを学べます。2022/07/28
Ikutan
69
父親が経営していた工場が共同経営者の持ち逃げで潰れ、一気に貧乏のどん底に落ちた大輔。貧乏を口実に嫌がらせをする性悪な同級生を殴って高校退学。病弱な母親を親戚に託し、双子の弟妹と共に上京し肉体労働で辛い毎日を送る彼の前に、ベンチャーキャピタリストで成功した男が現れ、一攫千金を夢見る。とここまでは、起業やベンチャーキャピタリストについて知ることができたものの、突っ込みどころありのベタな展開。ところが、後半から意外な展開で目が離せなくなった。前半の違和感も納得で、サクサクと楽しく読了。でも昆虫食はパスだな(笑)2022/08/04
うまる
37
稼ぐことは闘いだ!実現可能かもしれない成り上がりエンタメ。成り上がりは他人との闘いという感じがしますが、どれだけ目標を優先的に生きていけるか、目標以外の事に非情になれるかという自分との闘いでもあるんですね。邁進するほど幸せになるわけでもないし、得た物以上のなにかを失う事もあるのが落とし穴でしょうか。お金が無いせいで人生の選択肢が狭まるのは辛いので、あるに越した事はないけど、もうちょっと欲しいなくらいが一番いいのかも。スマートスモウとかシルクフードとか、作中にあるビジネスも中々興味深いものがありました。2022/04/18
よっち
31
父親が事業に失敗し出奔。一生懸命に働くものの弟妹との生活費を賄うだけでいっぱいいっぱいの母親。高校も中退した関大輔が、弟妹とともに上京する立身出世物語。弟妹を養うために現場工事で働き、苦労が絶えない毎日を送っていた大輔とベンチャーキャピタリスト・今田賢飛の出会い。弟子入りして学ぶ中で再会する高校時代の親友二人や転落のきっかけを作った雅敏、そして行き過ぎた賢飛との決別。テンポよく読めるわかりやすいストーリー展開で、見失いかけていた大切なものは変わらなくて、そんな彼らが掴み取った結末はなかなか良かったですね。2022/01/04