出版社内容情報
葛飾区の上平井出張所に異動になった大山雄大。所属するのは、消火活動のエキスパートである特別消火中隊のみというガチな職場と意欲に満ち溢れた所員たちに、正直、引き気味だ。折しも、観測史上二番目の暴風雨が関東に接近。大山は冠水した駐車場で車の下に入り込んでいた老女の救助に駆けつけるが……。大好評消防シリーズ第4弾!
内容説明
観測史上二番目の暴風が関東に上陸した夜、冠水した駐車場で車の下に入りこんだ年輩女性が死亡した。行政解剖の結果は「事件性はなし」。だが、救助に出場していた本田消防署上平井出張所に所属する大山雄大は、喪服の老人から「何をどうしたって助けられなかった」という言葉を残される。不審を抱いた大山は、謎の言葉の真意を探ろうと老人を追うが、その正体は驚くべきものだった―。大人気消防ミステリー第4弾!
著者等紹介
日明恩[タチモリメグミ]
神奈川県生まれ。日本女子大学卒業。2002年『それでも、警官は微笑う』で第25回メフィスト賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
95
待ってましたシリーズ最新作!今作は火災出場ではなく台風の大雨による民家の駐車場での水死事件。消防士・大山雄大のまっすぐさは相変わらず、時折挟まれる心の声がまたリアルで良い。雄大、事務職への道は遥かなり。「鬼キャン」思わず検索してしまった。2021/12/09
ででんでん
81
もうね、雄大くんに初めて出会ったのは2003年だったわけです。シリーズ2冊目は2年後、しかし3作目5年後、4作目も5年後…。そして今回すっかり忘れてた6年後の5作目。それでも読み始めると懐かしくおもしろく、すぐに日明ワールドに入れるわけです。周囲の人物の記憶も読み進むほどに甦ってきて。幸せな読書でした。もうひとつの警官シリーズも好きなんやけど、こちらもすばらしい間合いです。日明さんって、もしかしてダブルワーカーなのでしょうか(笑)ゆっくりでよいので、また出会わせてくださいね。おもしろかったです。2021/12/24
さっこ
69
シリーズ物と知らずに読んだら、なんと第4作目ということでショック。主人公の雄大の心の声が楽しい。今どきの子って感じかな。ミステリ自体は薄めだけれど、消防士さんの実態をリアルに感じるお仕事小説としてもためになる感じ。第1弾から読んでみようかな。2022/03/16
kei302
64
お仕事小説消防ミステリ そんなカテゴリを超越して、もはや、防火防災防犯詐欺etc.の啓発書の風格。冠水の被災地をターゲットにした修繕詐欺。ヒトゴトと思っていてはいけない。リフォームが原因の火事が多発。実際あるかもの事件。 そこに、母娘間の事件と泥棒さんもからみ、大山雄大、休日も真相究明に動き回る。何だかんだ言いつつ大活躍。希望する内勤職はますます遠くなる28歳、期待の星。救えなかった命と菊ちゃんの救命活動は泣けます。身勝手な理由で119する人にはウンザリでした。 2021/12/02
イオちゃん
49
お気に入りのシリーズ第4弾。早く事務職に移りたい雄大だけど、中々火消しの道を外してもらえそうもない。前向きじゃなくても、いざとなると活躍しちゃうんじゃ仕方ないね。今回は、暴風雨による冠水で、車の下にいた老女が水死?と冠水を理由のリフォーム詐欺をとっ捕まえる、が主題。救助活動の緊迫したシーンが少なく、事件の内容もちょっと…という感じだったけれど、雄大のボヤキやツッコミ満載のモノローグは相変わらず楽しいし、うんちくもためになると思う。次巻を楽しみに待ちたい。2021/12/20