出版社内容情報
金沢東部署刑事課長の比留は公私ともにがんじがらめの大ピンチ。妻を病気で亡くし、娘は高校を不登校。強盗犯を取り逃がして人事で左遷も確定していたが、管内の駐在所員が撲殺される事件が発生。その犯人は逃亡した強盗と同一犯だと比留は気づき、極秘捜査を開始。不運だけど悪運の強いデビル刑事・比留が疾走する骨太の警察小説。
内容説明
正義か?出世か?愛娘か?がんじがらめの刑事、極限の選択。強盗を取り逃がしたうえに、娘は家出。さらには警官殺しと内部の不正に対峙することに。このダイ・ハードな刑事の生き様が、最後の1行まで熱く、心に刺さる。
著者等紹介
城山真一[シロヤマシンイチ]
1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第一四回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
106
金沢東部署の刑事課長・比留を主人公に当管内で起こるいくつかの事件、事案がいつの間にか繋がっていくというストーリー。読んでいてめっちゃ気分が悪くなるのが、比留と対峙する石川県警捜査一課の富島刑事課長。アポ電強盗犯を取り逃がした比留のチームをコケにし、刑事課長の座を下ろそうと目論む男。問題は仕事だけではなく、比留の娘が出生の秘密を知ったことで葛藤を抱える。一方、駐在所の警官が殺されるという事件が起こり、予想外の繋がりが見え始める。仕事、家族、仲間、1人の刑事が葛藤する姿が悩ましい。一気読みの面白さ。2021/11/11
cinos
104
本当にリーダビリティが高くてスラスラ読めます。刑事が家庭でも職場でも悩みながら事件を解決します。金沢が舞台でラストはそこか、と感動しました。これからも金沢を舞台に書き続けてほしいです。『看守の流儀』の続きを書くのは難しいと思うけれど読みたいです。2021/11/28
Ikutan
90
看守の流儀がよかったので、こちらも期待して読む。駐在員が殺害され拳銃が盗まれる。東部署の比留は、防犯カメラの映像から、アポ電強盗事件で彼が2度も取り逃がして逃走中だった男を逮捕。ところが犯人は否認。上司たちは二度の失態の埋め合わせに強引な幕引きを望む。警察内部の隠蔽体質や出世争いにはうんざり。対して、真相を暴こうと奮闘する主人公の比留だが、どうも魅力に乏しい。彼の個人的な問題や過去のひき逃げ事件を絡めたストーリーは面白いのに、彼の行動が理解出来なくて、今一つ楽しめなかった。あと2ヵ所の人物名の誤植も残念。2022/01/26
machi☺︎︎゛
85
この作家さんの警察小説は面白い。この話も警察の内部事情から表向きや裏向きの話までてんこ盛りで面白かった。ただ家庭の問題を仕事にも持ち込んで特権を利用するとか無理矢理感はあったけどフィクションだから楽しめた。アポ電強盗を取り逃がすところから始まりまさかの黒幕に驚き全部の出来事が繋がっていて最後まで面白かった。2025/02/22
aki☆
81
所轄の比留刑事課長が二度目の強盗犯取り逃しという失態から始まり、交番勤務の巡査部長が殺され拳銃が盗まれる事件が発生。同時に比留は娘の問題も抱え、並行して解決への道を模索。序盤にして佳境と思わせる展開に一気に引き込まれる。保身第一で隠蔽や冤罪も厭わない警察組織に出世第一の管理職には毎度幻滅だけど、反発する一部の刑事が事件を解決、もベタだけど結構好き。スピーディーで先の見えない展開に目が離せず一気読み。全てに納得…とはいえないけど面白かった♪主人公がもう少し魅力的だったら…とも感じたけど楽しめた(*´∀`)♪2022/02/23