出版社内容情報
31歳、独身の綾は過去の恋愛で、ことごとく理不尽なフラれ方をしていた。そんな綾が行きつけのバーでママのみひろ相手に過去の失恋話をしていたところ、大学教授を名乗る常連客の男に話しかけられ……。社会学や心理学を使って”失恋の真相“を解き明かす連作ミステリー。
内容説明
31歳、独身の大谷綾はデート相手と大喧嘩した帰り道、馴染みのバーに足を運ぶ。そこでママのみひろと過去の失恋について話していると、カウンターの隅で飲む初老の男性から声を掛けられる。“センセイ”とみひろが呼ぶその男性は、フラれた当時の綾の行動や相手男性の言動から「失恋したのには別の理由がある」と語り出す。自分が思い込んでいた「フラれた理由」と「失恋の真相」。恋する男女が陥る“スレ違い”を当時の流行や社会情勢を交えて描いた傑作ミステリー。
著者等紹介
大石大[オオイシダイ]
1984年秋田県生まれ。法政大学社会学部卒業。2019年2月、「シャガクに訊け!」で第22回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。同年10月、光文社より単行本『シャガクに訊け!』が発売された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
83
今までしてきた失恋の謎を心理学の知識で解明する、連作短編集。平成カルチャーがてんこ盛りで懐かしい上にとても読みやすい。「初めて買ったCDは?」この鉄板の質問も時代遅れになる日がきているのか...2023/04/25
ベイマックス
77
6章の連作短編集。あとがきに、CDを買って音楽を聞いていた楽しみが書かれていましたが、文中に出てくる当時の大きな事件事故についての考察もよかった。◎人間関係は、思い込みによるすれ違いって多い。小説のように礼節に振り返るために諭してくれる知識人がそばにいてくれるわけではない。かと言って、正直に生きればいいなんてことでもないんだと思うし。タイミング・期限不機嫌・運不運、様々な要素があるんだろうなぁ~。見栄もある、嘘もついてしまう、比較もしてしまう、相手に求めてもしまう…。つくづく人間とは生きづらい生物だな。2022/01/30
yukision
75
行きつけのバーのカウンターで女性が過去の失恋話を披露すると,失恋の理由は別にある,と,その場にいた男性が語り始める。彼女の話の中での相手の反応を心理学の立場から読み解いていく連作コージーミステリー。その当時の時事ネタやヒット曲が散りばめられてそれぞれの時代背景も懐かしく思い出される。2023/04/11
真理そら
65
Barのカウンターでオーナーのみひろに過去の失恋話をしている綾。なぜふられたのか意味が分からない綾に、カウンターの端に座っている男(センセイ)が理由を心理学的に謎解きしてくれる。個人的には綾は「親友」選びを間違っている気がしないでもないが…。それはともかく、平成に起きた様々な事件やそのころはやっていた曲やモノがいっぱい登場するので懐かしい気分で読了。2024/05/13
kou
44
冴えない(?)おじさんが、女性の過去の失恋の謎を解明していく連作短編集。心理学を用いて謎解きを行っていく過程が面白かった。平成のヒット曲や、その頃に起こった社会的に有名な事件を思い起こす展開に、懐かしさが込み上げてきた。こんな行きつけのBarがあるのは羨ましい。2021/09/11