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じい散歩

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  • サイズ 46判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784575243574
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!

内容説明

明石家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻は、散歩先での夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男はしっかり者の、自称・長女。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。…いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に沁みる、現代家族小説の白眉。

著者等紹介

藤野千夜[フジノチヤ]
1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年『午後の時間割』で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひさか

173
文學界2018年2月号掲載を再構成し、小説推理2019年12月号〜2020年9月号掲載を加えて2020年12月双葉社刊。確かに散歩の話は出てきますが、メインではなくあまり関係がない。本人、妻、家族、近所のとりとめのないストーリー展開で、あまり興味を惹かれませんでした。主人公が元気な人だなぁというところには感心しましたが、いずれにしても、ふーんそうなんだぁという感じで終ってしまいました。2022/04/29

ちょろこ

162
ちょっと違ったけど、の一冊。勝手に想像していた自分好みの可愛らしい優しいおじいちゃんとはちょっと違ったけど楽しめた。かくしゃくアラ90にびっくり。認知症の妻との仲は微妙。これだけ長年連れ添っていれば夫婦どちらかの心にだけ引っかかってることって星の数ほどあるのかも。独身兄弟がまた見事にバラバラ個性的で良し。自称「長女」の健二が甘味。柔らかい言葉と母をサポートする姿に、ホッと和んだな。ラストは新平じいさんのスマイル、ピースサインを思い浮かべた。人生最後まで楽しまなきゃね。おやつのように軽く楽しめる作品。2021/03/11

Makoto Yamamoto

156
夫婦の年齢は足すと180になってしまう老夫婦。 夫、新平はかくしゃくとしていて、毎日の朝食から始まり、ぶらっと散歩に出て、喫茶店で女の子と話すルーチーンを行い、妻、英子は家にいて主婦。 妻に最近認知の症状がみられるなか、夫の生活が少しづつ変わる。 自立できていない息子3人は親の面倒を見ることができそうにもない育ち方をし未婚で、二人が同居。こんな中英子が倒れ、新平が頑張る。 なんとしっかりした90歳。 最後まで妻をみて、本人が動けなくなったら施設に入ると決めている新平に思わず拍手。 2022/01/25

とろとろ

146
90歳になるじいさんの散歩の話。昔の思い出話と今の状況が交互になって話が進む。独特の体操と朝食のおかげで病気も無く全く健康(健全とは言えないが)に過ごしている。金が無いと言いながら毎日の散歩のついでに外食、あちこち女性にチョッカイだして精神的にも極めて若い。50歳を越えた3人の独身息子がいる。だが、8050問題じゃないけれど、じいさんの方がむしろ元気。最後の項で、弱った妻は自分が面倒を見るが自分がダメになったら全財産を処分して施設に入る。息子たちが困ってもよいと言う。じつにアッサリしていて気持ち良い結論。2021/07/24

のぶ

131
物語の始まり当時、89歳の新平と88歳の英子、老夫婦を中心にしたやさしさが伝わって来る家族小説だった。英子には認知症の兆しがあるが、新平は元気そのもの。三人いる息子は全員独身で孫はいない。そして生活環境や仕事で問題を抱えている。読んでいていろいろな家族が存在するものだと改めて気づかされた。傍から見れば大変な状況なのだろうが、藤野さんは、決してその状況をネガティブにとらえず、希望を持たせるものとして描いていて、生きている人間の素晴らしさをあえて際立させている。老人をテーマにした作品の中でもほんのりする一冊。2021/04/05

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