出版社内容情報
四ツ角高校三年二組で一番美しく人気もあった生徒・更紗が突如自殺する。遺書もなくいじめがあったわけでもない。彼女の死をきっかけに、次々に女生徒が見えない力によって容姿を傷付けられていく。互いを勘ぐり合う生徒たち、変化していくクラスカースト。担任の小谷舞香は、この異変の真相を探るうちに、地域につたわる「ユアフレンド」というおまじないの存在を知り――。
内容説明
ありふれた噂話のはずだった。クラスで一番の美少女が自殺するまでは。
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年大阪府生まれ。2015年『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞大賞を受賞しデビュー。19年「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
371
澤村 伊智は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。本書は、都立高美醜因果応報イヤホラーでした。もう少しストーリーにメリハリがあるともっと良くなると思います。うるはしみにくしおそるべし(怖) https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-24312-3.html2020/09/02
しんたろー
236
私はイヤミスが苦手だ......妬み、僻み、憎悪、差別などなど人が抱えている闇を前面に押し出してミステリ仕立てにする作品は多々あるが、後味の悪さが暫く残るのが辛いから...... なので、好きな澤村さん作品ながら半年以上も積んでいた。予想通り「激にが風味」ではあったが、ホラー要素が「スパイシー風味」になって中和し、私にとっては救いになった。呪いがルール立てしてあるのが、推理の基になっているのも巧いし、引っ繰り返しの多い展開は著者らしいサービス精神を感じた。人物描写もリアルに思え、予想よりも充分に楽しめた♬2021/01/21
nobby
196
澤村さんによる学園ホラーは、間違いなく澤村さん、だけど求める澤村さんとは違う、でも結構面白く読んだ(笑)「ユアフレンド」それは自分以外の望んだ女性(限定)の顔を麗し、もしくは醜しに変えるおまじない…それを実行しているのは誰か、連続する残酷な仕打ちの実態が何なのか、そのミステリ要素に惹き込まれる。自らの顔へのコンプレックスや評価に固執する面々にひたすら傍観決め込んだのは男目線からか、それとも自分の性格か…結局、人の心理の捻れた暴走が最も怖いというメッセージも澤村さんらしいけど、やっぱり怪奇作品が読みたいな♬2020/09/18
みっちゃん
175
「呪い」をモチーフにしながらも、これでもか、と晒け出される顔立ちの美醜による残酷なクラスカースト。女の子本人達の悪意に満ちた剥き出しの言葉もさることながら、本当に酷かったのは周りの男子、親、教師達。特に飲み会で延々と続く教師達の「ランク付け」の場面は吐き気を催すような醜さだ。案外早い段階で「犯人」が予想されてからの二転三転の展開は読み応えがあったが、救いようのない結末と「結局これって何だったのか」嫌な気持ちともやもや感だけが胸に澱む。2020/11/17
のぶ
162
澤村伊智さんの新刊は学園ホラーミステリーだった。今までの作品に比べると、ミステリー色が強かったような気がする。四ツ角高校のクラスで一番美しく人気もあった羽村更紗が突如自殺するところから物語は始まる。担任の小谷舞香は事件の真相を探るべく調査をするが、地域に伝わる「ユアフレンド」というおまじないの存在に突き当たる。学内では更紗に続いて新たな犠牲者が出る。真相には何があるのか?スクールカーストや美貌を扱っているが、自分と舞台の年齢がかけ離れているせいか、物語に入り込めず、面白さも今一つだった。2020/09/06