出版社内容情報
笑いと衝撃、そして涙の傑作ミステリー! 初恋の元カノに運命の再会。彼女は人妻だったけど、かつての恋心がよみがえる……と思いきや、「主人のこと、殺してくれない?」と驚きの依頼が――。このどんでん返しは絶対に誰にも予想できない!
内容説明
善人と書いてヨシト、なのに空き巣で前科二犯の「俺」。出所早々、懲りもせずに忍び込んだ豪邸の主は、なんと初恋相手の美女マリアだった。後日、偶然を装って再会し、急速に距離を縮めていく二人―と思いきや、彼女の望みは夫の殺害!?90年代の思い出ネタにニヤニヤ、でもラストは思わず声が出る笑いと涙の衝撃ミステリー!
著者等紹介
藤崎翔[フジサキショウ]
1985年、茨城県生まれ。高校卒業後、六年間お笑い芸人として活動。2014年、長編ミステリ『神様の裏の顔』(受賞時「神様のもう一つの顔」を改題)で第三四回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
159
藤崎さん二冊目。この本もまたネタバレ厳禁な小説ですね。前科二犯の善人。空き巣に入った家が交際していた幼なじみの女性の家だった。彼女が夫からDVを受けていることを知り夫の殺人計画をたてる。『OJOGIWA』ですっかり騙されたので始めは警戒して読んでいてあまり面白くなかったけれど、途中から普通に面白く読んでしまい、またすっかり騙された。後半からは頭が大混乱。このエピソード必要ないんじゃない?と思ったことも最後までくると納得。幼なじみっていいね。2020/07/30
モルク
150
空き巣により実刑を受け前科二犯の主人公は、出所早々また空き巣に入る…が、そこは初恋の人マリアの家だった。偶然を装い再会を果たすが、彼女に夫殺しを頼まれる。夫は小学校からのタケシ、ヨッシー、マリアの幼馴染み三人組のタケシ。過去の回想シーンは懐かしいギャグなんか出てきて思い出に浸る。だが、ラストの強引とも言える流れは、そうだったのかと驚きながらも、今一つ流れに乗りきれない。それにしても題名は秀逸だ。2021/08/03
sayuri
131
ああ、今回も作者の手の平の上でまんまと転がされてしまった。主人公は空き巣で前科二犯の善人。善人と書いてヨシトと読む。ヨシトが刑務所のお務めを終え、初恋相手の美女・マリアと出会う所から物語は展開して行く。90年代の世情、実在の有名人を随所に織り交ぜながら、軽快なテンポでストーリーは進み、巧みな言葉遊びに何度も噴出してしまう。藤崎さんだから仕掛けがあるはずと思い、慎重に読み進めるも結局最終章までそれと気付かず、やられた感がいっぱい。蓋を開ければあれもこれも伏線で作者のアイデアに脱帽。そして最後ちょっと泣けた。2020/06/07
とん大西
129
著者初読みです。どんでん返しの謳い文句に惹かれてトライ。空き巣で前科者の善人(よしと)が出所後にまたもやの再犯。しのんだ先はあろうことか初恋の人マリアの自宅。甦る甘く苦い青春。が、昔日に耽溺しきれないほどシビアな現実に直面していたマリア。いやぁ、どこでどう仕掛けるのかしょっぱなから警戒して読みましたが、やっぱり最後までわからんかったょ。ちぃと強引ではあったが、うまいですね。軽妙でわかりやすい展開もよかったです。2020/08/08
みかん🍊
97
前科2犯出所したばかりで空き巣に入った先が初恋の女性の家だった、その後再会した彼女に誘われ過去の思いを募らせた所同じ幼なじみの夫から暴力を受けている事を知り彼女の為に夫殺害計画をたてる、こういう時彼女を連れて逃げるのでなく何故夫を殺害しようと安易に考えるのだろうと思っていたら意外な展開に、優秀であったも貧富によって格差が生まれる世の中、安易に子供に虐待をする身勝手な親、回想で語られる過去も今ほど表に出なかっただけでそういう問題は山程あり、今でも大して改善されていない、思いがけない終盤だったが面白かった。2024/05/13