出版社内容情報
宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学五年生の海香は絵を描くことが大好き。将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。そんなある日、父親の勇吾が宣言した。「俺はユーチューバーになる!」 宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く、家族小説。
内容説明
お前のためなら何にでもなれる。読みたい本ランキング1位。宮古島で繰り広げられる感涙の家族小説。
著者等紹介
浜口倫太郎[ハマグチリンタロウ]
1979年奈良県生まれ。2011年『アゲイン』で第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
234
浜口倫太郎さん初読み。タイトルが「いかにも今風」なので軽く見ていたが、数人の読友さん絶賛なので手に取った…なるほど!とても読み易くて、今の時代を巧く捉えて、家族の在り方を問う秀作だった。小5の海香を主人公に、一見ダメ父な勇吾の行き当たりばったり行動をテンポ好く描いて笑いと癒しが盛り込まれ、終盤には涙まで誘う。何よりも海香が可愛くて、オジサンにはタマラナイ存在。周囲の人々も魅力的なキャラで「映像化を狙ってるな~」と邪推してしまう程…きっと何処かで企画が上がっていると思う。そして、宮古島に凄く行きたくなる!2020/09/08
しんごろ
232
宮古島でゲストハウスを営む破天荒な有吾。娘の海香も将来のことを考えると不安になるほど、破天荒な有吾。そんな有吾が、ユーチューバーになるというもんだから、そりゃめちゃくちゃさあ。だけど、なぜユーチューバーにと知った時、涙が自然と溢れてきた。有吾と海香は親子以上の親子。有吾と、元気、一休、唯は家族以上の家族。有吾、虎太郎、正樹は親友以上の親友。有吾を通して絆以上の絆だ。そんなチンパンジー顔で破天荒でバカばかりしてる有吾は、間違いなく皆のヒーローだ。宮古島の海、有吾が世界一と言うのだから、いつか行ってみたい。2021/02/17
ウッディ
160
宮古島でゲストハウスを営む勇吾、宿の仕事をヘルパーに任せ、宿泊客と大騒ぎする父のことを小5の娘・海香は少し鬱陶しく思っている。そんな時、勇吾は人気You Tuberを目指し、投稿を始める。かつて芸人を目指したこともある勇吾のリアクション動画がバズり、人気者となるが・・。能天気な親父の成功物語かと読み始めるが、東京時代の悲しい出来事と、勇吾の娘への深い愛情が明らかになり、不覚にもウルウルしました。夢は必ずしも一つではなく、変わっていくものだと知った。都合の良い展開もあったが、読みやすく、アッという間に読了。2021/01/11
chiru
138
泣いて笑えるトップ級の快作。沖縄の宮古島を舞台に描く“家族”の物語。民宿を経営する父親は突然『ユーチューバー』に転身📺しかし娘の応援の甲斐なく再生回数はなんと5回…💦 これで諦めると思ったら、さらに過激さを増す父親のパフォーマンス。目的に対し最短航路を取る父親を冷ややかな目線で追いかけてたら予想外の展開に‼ 点と点、線と線がつながり明らかになった、不器用な父親の真の目的と一途な信念にノックアウトされました💧 ラストの父親のセリフが心に焼きつき涙。愉快・痛快・爽快の味わい深い物語でした🌺 ★52020/12/10
sayuri
137
舞台は沖縄の宮古島。絵を描く事が大好きな小学五年生の海香と破天荒な父・勇吾の悲喜こもごもを描いた家族小説。ある日「よしっ、決めた。俺はユーチューバーになるぞ」と宣言した勇吾。記念すべき第一号の動画をアップし再生回数の確認を一週間後に決める。家族やゲストハウス「ゆいまーる」の泊り客、近所の人達が見守る中、私も伝説の目撃者になろうと待機するが思わず声を出して笑ってしまう。有り勝ちな設定でライトな雰囲気ではある物の勇吾がユーチューバーになった理由を知った時は胸が熱くなった。最後は泣いて笑って幸せな気持ちになる。2020/10/05