去にし時よりの訪人

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575241679
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

第36回小説推理新人賞受賞作を所収。南北朝時代の京都を舞台に、能の発展と伝承に挑んだ者たちを巡る時代ミステリー。

内容説明

狂乱し鬼と化す女。名桜を愛でる老貴族を襲った災難。暗躍する南朝の残党…。応仁の乱前夜、不穏な熱気をはらみつつ華やぐ京都で、人々の心の鬼が生む事件―立ち向かうのは、若き能楽師・観世小次郎信光と、その弟子・那智。だが、那智の謎めいた過去が、やがて影を落としはじめる。師を師とも思わぬ不遜な態度ながら、ただならぬ才気をまとい、剣をとっても滅法強い。そのくせやたら子煩悩。この男は一体何者なのか?混迷の時代に生きる人々の群像を活写し、選考委員の絶賛を浴びた第36回小説推理新人賞受賞作。応仁の乱前夜の京都。若き天才能楽師と訳あり弟子が、混迷の時代に渦巻く人間模様に挑む。

著者等紹介

蓮生あまね[ハスオアマネ]
1980年福島県生まれ。北陸大学法学部卒業。2014年「鬼女の顔」で第36回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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評価

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感想・レビュー

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いつでも母さん

165
時は苦手な室町時代。『さきのことは常に闇に包まれている。人は闇に願いを描き、儚い望みを頼りに闇路を歩く。ならば未来は常に虚構だ。』あゝ、ならば那智・小次郎・天鼓・鈴子・・この物語の先を知りたいと思った。多分・・連作三話特にタイトル作を私は、ちゃんと咀嚼出来ず字面で追っただけだと思う。掴めそうで掴めない自分の読解力が情けないだが、この文章の並びや使い方に心惹かれる。一話目の『鬼女の顔』は第36回小説推理新人賞だ。私の心にも鬼がいて時々怖ろしくなる・・2019/05/31

あも

82
読み辛っ!時は室町。観阿弥・世阿弥に繋がる猿楽座の人々が血腥い事件に巻き込まれる時代ミステリ連作。「文章が格調高くて素晴らしい」「プロの作家が別名で書いたのではと疑ったほど」「物語の中に登場人物を組み込む力がある」等と、選考委員絶賛の第36回小説推理新人賞受賞作…だそうな(双葉社サイトから引用)。確かにそれっぽい雰囲気の文章だけど…情景が全く浮かばん。何度も何度も読み返して、なお、今コイツら何してたんだっけ…?と頭がぼんやりする。これはもう相性なんですかね。審査員は錚々たるメンツ(小池、真保、貫井)だし。2019/06/14

真理そら

56
足利義政の時代に南朝の残党や嘉吉の乱(将軍義教を赤松満祐が殺害したことから始まる騒乱)の残党が蠢く中で起きた応仁の乱前後の事件を観世小次郎たちが解決する物語。だが、なぜか「小説推理新人賞」の受賞作。般若、那智、天鼓他魅力的な登場人物や、表には登場しない日野富子の蓄財の才や義政の造園趣味が庶民に及ぼしただろう影響などが美しい文体で描かれているので読み応えがある。続編が出たら読みたい。2022/05/21

25
第36回小説推理新人賞受賞作。時は南北朝の動乱期。能楽師・小次郎と、謎めいた過去を持つ弟子の那智が、不穏な空気漂う京都で事件に巻き込まれる連作ミステリ。あまり馴染みのない時代だが、市井に暮らす人々の生活感が伝わってきて好感が持てる。メインの登場人物のキャラもいいし、陰に潜む南北朝の争いの不穏さも興味深い。デビュー作なのに文章も綺麗。なのに、なぜか読みづらさを感じてしまい、ミステリとしては最初の1話しかちゃんと理解できなかった気がする。残念だけど、あとは雰囲気だけ楽しんだ。…もしかして私の読解力、低すぎ…?2019/09/06

rosetta

18
★★★☆☆36回小説推理新人賞。室町中期猿楽一座に寄宿する那智と幼い息子天鼓。花の京に蔓延る不穏を掻い潜り生き延びる為に望まずとも事件の真相を探らねばならない。時代や猿楽座の雰囲気はよく出ている様に思うがリーダビリティは決して良くはない。人物の描き分けが曖昧で(現代を舞台にするなら容易い口調の使い分けが難しかった所為だろうか)見失うことも多かった。伊勢新九郎なる人物が出てくるがまさか後の北条早雲その人ではあるまいな。2019/08/03

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