出版社内容情報
売れない小説家・大菅賢は、担当編集者を口論の末に殺してしまい、逃亡する。潜伏先で自殺を決意するも、すんでの所で桐畑直美と出会い、匿われることになった。さらに、直美の覆面作家として賢が小説を書いて再デビューを狙うことで二人は意気投合し、見事に新人賞を受賞。平和な逃亡人生を手にしたかと思ったが――。著者渾身の傑作ピカレスク・ホームコメディ!
内容説明
売れない小説家・大菅賢は、担当編集者を口論の末に死なせてしまい、逃亡する。潜伏先で自殺を決意するも、すんでの所で桐畑直美と出会い、匿われることに。さらに、直美の覆面作家として賢が小説を書いて再デビューを狙うことで二人は意気投合するのだが、そんな前代未聞のゴーストライター作戦が簡単にうまくいくはずもなく―。著者渾身の傑作ピカレスク・ホームコメディ!
著者等紹介
藤崎翔[フジサキショウ]
1985年、茨城県生まれ。高校卒業後、お笑い芸人として6年間活動。2014年、『神様のもう一つの顔』(のちに『神様の裏の顔』に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビュー。この作品が25万部を超える大ヒットとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aquamarine
97
担当編集者と口論になり、うっかり死なせてしまった売れない小説家。反射的に逃亡し、野宿をし所持金も底をつき、もはや死のうと橋の上まで行ってみたらそこには先客が。彼女を救い、彼女と同居して…。すべての畳みかけるような展開があり得なさ過ぎて笑うしかないのですが、過失致死とはいえ人を殺して逃げているはずの男を、いつしか大丈夫なの?見つからないの?とドキドキしながら見守っていました。リーダビリティは抜群で、最後の展開も見事、藤崎さんらしいお話だと思います。もちろん逃げだらダメですが、エンタメとして楽しかったです。2019/06/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
91
一部設定に無理があるんじゃない?って個所もありますが、藤崎さんらしいコメディタッチで楽しめました。2019/05/25
タイ子
89
はずみで編集者を殺してしまった売れない作家。逃亡する姿につい笑える。下心ありありで自殺寸前の女性を助けたところから彼の第2の人生が始まる。いやいや、逃げること自体が罪なんだから人生を始めるなよと言いたいけど。彼女の半生を小説化して彼女の名前で刊行したところ大ヒット!次に仕掛ける大ワザがこれまたヒット。結婚して子供も生まれお金も儲かり順風満帆な生活。が、傷害致死で逃亡中なんです。人間嘘をついて生きたらあきまへん。どんなに恵まれてもドキハラ感は拭えない。この2人バカなんだか賢いのかそこが面白い!最後はえっ?!2019/07/16
美登利
88
序盤、ビロウ&とエロなシーンが多くてちょっと読むのを躊躇するほど。新人賞を受賞して小説家になった賢は結構なダメな奴で。若さゆえの悩みだけかと思えば事件を起こしてしまう。逃亡劇はドタバタと、助けた美女は本当は裏が有りそうでなかなかスリルな展開になってからは読むスピードが一気に上がりました。嘘を重ねて行くうちに破滅するのかと想像しましたが、やはり藤崎さんは一筋縄ではいかない。ここまでエスカレートするのは現実的には有り得ないけれど、一般人でも陥ることがある世界はどこにでも転がっているんですよね。楽しかったです。2019/06/19
itica(アイコン変えました)
87
編集者を突き飛ばして死亡させてしまった、売れない作家の逃亡生活。ところが意外な展開、何度もピンチを乗り越えて一見成功者?になってしまった。こんなにうまく行くはずないだろう!とツッコミを入れつつも、コミカル且つ軽いノリに笑いながら読んでしまったよ。最後に思いも寄らないオチがある。転んでもタダでは起きない指名手配作家とファミリーだったな~。 2020/05/01